マッサージ後の眩暈と首の痛み。

目次

目眩や首の痛みと頭痛について

30代女性、職業美容師の方が眩暈(めまい)と首の痛みと頭痛を訴えて当院に来院。

1週間前、朝起きたら首が痛くて仰向けの状態から起き上がれなくなる。その日は一日、家で安静にしていた。

そのうち首の痛みだけでなく頭痛と眩暈が出たので、翌日、脳神経外科を受診。検査を受けたが脳に異常はないと言われた。

症状について調べているうちに当院のホームページにあたり、ブログ記事「フワフワする目眩の原因」を読み来院。

首の痛みと眩暈と頭痛の症状。

首の痛みは、全く動かせなかった1週間前に比べるとだいぶ緩和されたが、動かすと左頚部から左肩にかけて鈍く痛む。(図1)

図1

姿勢の傾きやねじれはないが、背中は丸まり猫背。頭は前に突き出ていた。

首を曲げることはできるが、横に倒したり回したり、反らしたりすると鈍く痛む。

頭痛も初期に比べると楽になったものの、左側頭部と前頭部や左目の奥が鈍く痛む。

目眩は変わらず、今も上半身がフワフワした常時揺れているように感じる。また頭を動かしたり、立ち座りなど目眩を誘発する動作はとくにない。

現症状に関連事項。

首が痛くなる3日ほど前に左の奥歯が痛くなり歯医者に行ったら「左の奥歯がかなりすり減っている」と言われた。

半年前にスーパー銭湯でマッサージを受け「首が凝ってますねー」と言われてグイグイ押され、何と無く嫌な予感がしたので途中で辞めてもらったが、案の定、翌日になったら首が痛くて起きれなくなった。

翌日、首を支えながら整形外科を受診し、レントゲン撮影をした結果「頚椎捻挫」と診断される。2週間ほど首をコルセットで固定し、1ヶ月ほど安静にしていた。

痛みはなくなったが、首の動きが悪くなった気がする。

目眩と首の痛みと頭痛の原因。

この方の症状を見ると全く別個の症状のように思われますが、これらは首の骨(頸椎)の関節の問題が原因で派生的に生じた症状です。

そのきっかけとなったのが半年前に受けた首へのマッサージです。

頚椎の関節は屋根瓦のように傾斜のついた構造(図2)をしているので、うつ伏せの状態で上から押されると、または後ろから前に向かって力が加わると、簡単に前方にズレてしまいます。

図2

特に、頭と首の付け根にある上部頸椎の関節は平衡感覚や眼球運動の反射が多く存在する場所なので、この関節がズレると、首の痛みだけでなく目眩や立ちくらみの他、頭痛や吐き気などが生じます。

上部頚椎の関節がずれることによって生じる症状。

1.筋肉の緊張による首の痛み。

頚椎が前にズレると関節を包んでいる関節包や靭帯が伸びて緩みます。この状態を頸椎捻挫と言います。

関節が緩むと関節が不安定になり、不安定な関節を支えるために筋肉が強く緊張して張り、首に痛みが生じます。

2.食いしばりや歯軋りによる頭痛。

首の関節が不安定な状態では首回りの筋肉だけで頭を支えるのが難しいので、歯を食いしばって首の筋肉にほど近い顎の筋肉を緊張させて頭を支えます。

そのせいで、食いしばりや歯軋りが生じ、側頭部や前頭部などに頭痛が生じます。

3.神経系の問題による眩暈。

首の関節や筋肉の問題はバランス感覚や眼球運動や血圧などを調節する反射に影響を与えます。

姿勢の反射は急な姿勢の変化に対応してバランスを維持し、眼球運動の反射は姿勢の変化や頭の動きの中でも見ているものを見失わないように眼球をコントロールし、血圧を調節する反射は立ったり座ったりと姿勢の変化に応じて血圧が急降下しないように、血圧をコントロールしています。

首の関節や筋肉からは、これらの反射を抑える信号を反射中枢に送ることで過剰に反応しないように反射をコントロールしています。

バランス感覚を司る前庭の反射が過剰になると姿勢の細かいコントロールができなくなるのでバランス感覚が悪くなり、立位や座位での体の動揺が生じます。

眼球運動の反射が過剰に働くと、微妙な眼球のコントロールがでず焦点がうまく合わないので手ぶれのように画像が揺れて見えたりします。

血圧調節の反射が過剰に働くと姿勢に応じて血圧のコントロールがうまくできずに立ちくらみなどが生じます。これら3つの反射の異常によって生じる症状のことをこの方は「目眩」と訴えました。

目眩と首の痛みと頭痛の施術。

初回:

前にズレた頸椎を正しい位置に戻すために「ボッキ」というカイロプラクティック特有の矯正を行うと、ズレが急激に戻ることで防御反応が働き、余計に筋肉が緊張する可能性があります。

また硬く張った首の筋肉を下手に解せば、今度は関節が不安定になり余計に張り痛みが増す「揉み返し」になります。

急な矯正をしてもや揉みほぐしても悪化する可能性があるので、時間をかけてズレを戻し、上から少しずつ圧力を加えて関節面をピッタリくっつけるように安定させる特殊な手技を用いて施術をいたしました。

頭が前に出ることで首に負担がかかるので、それを防ぐべく、猫背状態の胸椎を矯正した。

初回は以上で終了。

2回目:

初回から1週間後の来院。目眩はほとんどなく、首の痛みもないが、まだ首を動かしづらいと訴える。

関節の状態は徐々に正しい位置に戻りつつあり、異常に張っていた筋肉の張りもだいぶほぐれつつある。

今回は、左前方にズレた頚椎の1番と2番にゆっくり圧力を加えながら、頃合いを見て素早く動かし、正しい位置に戻した。

首から鳴る「ボキッ」という音に驚いていたが、痛みもなく、施術後は首の可動域が一気に広がったと喜んでいた。

同時に猫背や食いしばりによって歪んだ顎関節を矯正した。

3回目:

前回の施術から1週間後に来院。目眩もなく首の痛みも張りもなく、首も動かしやすくなった。前回と同じ処置を行い、猫背を防ぐための体操を指導し、1ヶ月後に様子を見ることにした。

猫背を防ぐための体操→猫背を治し、肩こりを解消する「肩こりの対処法」

4回目:

前回から1ヶ月経ったが時々首が張る程度で目眩や頭痛や首の痛みはない。前回と同じ施術を行い、猫背を防ぐ体操をしっかりやるように指導して施術を終了。

実質3回の施術、ほぼ3週間で改善した。

院長からのコメント。

頚椎の関節にはバランス感覚や眼球運動、血圧の調節などに関係する反射の中枢があります。

そのため交通事故でムチウチになると関節がズレ、首の痛みだけでなく目眩や頭痛や吐き気など様々な症状が生じます。

しかしこの程度の関節のズレはレントゲンでも映らないのでほとんど理解されずに放って置かれます。

もし過去に交通事故でむち打ちになり、または今回の患者さんのように下手なマッサージで首を痛めた経験のある方や、下手なカイロや整体の矯正で頚椎の関節を痛めた方で、首の痛み以外に上記のような不調が続く場合は、上部頚椎が前方にズレている可能性があるので、一度、まともな施術を受けることをお勧めします。

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