症例:産後の慢性腰痛とギックリ腰。

産後の腰痛の症状・経緯・原因について。

出産後から続く慢性腰痛と繰り返し生じるギックリ腰でお悩みの30代主婦が当院のブログ記事「妊娠中の入院生活で産後の腰痛が悪化!」を読んで来院。

産後の腰痛の経緯:

4年前に第一子を出産し、翌年に第2子を出産。

その年の秋にギックリ腰で動けなくなり、それ以来、毎年ぎっくり腰を繰り返す。

2年前の春に再びギックリ腰をやってから腰の真ん中からお尻にかけて重だるくなる慢性腰痛になる。

先週、朝起きてベッドから出ようとした時にギックリ腰になり、丸2日寝込む。

今は痛いながらも歩けるようになったが、前屈みや立ち座りのたびに左のお尻に痛みが走る。

産後の腰痛に関連する傷病歴:

第2子を出産する時に切迫早産で3ヶ月入院し、ほぼ寝たきりの状態だった。

姿勢の観察:

この方の姿勢を確認すると姿勢は右に傾き、骨盤や肩の高さが左が高く、右側が低く傾いている。(図1)

骨盤と右の股関節がそれぞれ反時計回りにねじれている。図1

図1

触診及び筋力や動作のチェック。

前かがみになると、曲げ始めと、曲げてから体を起こす瞬間に腰の骨の左側と左の臀部に痛みが生じる。

立った状態で片足立ちになると、右足を軸に片足立ちになった時に左の骨盤が下がり、右片足立ちを維持することが難しいようだった。

触診では腰からお尻の筋肉が全体的に緊張して硬く張っている。

産後の腰痛の原因:

この方の慢性腰痛と繰り返されるぎっくり腰は、産中・産後の入院生活で骨盤が緩んだことが原因です。

原因の詳しい説明。

妊娠中は、赤ちゃんを生みやすくするために骨盤の靭帯や筋肉を緩ませる「リラキシン」というホルモンが分泌されて骨盤が緩みますが、立ったり歩いたりすることで、骨盤が緩むのを防ぐことができます。

立ったり歩いたりすると骨盤に対して上から重力が加わるので、お尻や足の筋肉が緊張して骨盤が締め付けられますが、入院生活などで寝たきりの状態が続くと、お尻や足の筋肉を使わないので骨盤が緩んで坐骨の間隔が広がる形で歪みます。

このように骨盤が歪むと骨の支えが弱く不安定になり、骨盤を支えるお尻や腰回りの筋肉への負担が増えます。

そのまま退院後に立ったり座ったりする普通の生活に戻ると腰やお尻の筋肉がより緊張して硬くなります。

この筋肉の緊張によって「慢性腰痛」が生じ、硬くなった筋肉が急な動作によって傷つくと「ギックリ腰」になります。

さらに緩んで不安定な骨盤の状態でストレッチや筋トレなどをやると腰痛予防どころか、さらに腰痛を悪化させます。

この方も硬くなった腰やお尻の筋肉を緩めようと体前屈のストレッチやって腰痛を悪化させました。(図2)

ストレッチは闇雲に緩めると、筋肉が緩む前に関節が壊れてしまいます。

図2

腰やお尻周りの筋肉を緩めようとストレッチをしたはずが、骨盤を構成する腸骨と仙骨を繋ぎ止めている靭帯が緩んでしまい骨盤の緩みが悪化。緩んだ骨盤を安定させるために腰やお尻の筋肉が余計に緊張し、結果的に産後の腰痛を悪化させました。

さらに、お尻の筋肉や背筋を鍛えるために筋トレをやったことで骨盤の歪みが筋肉で固定されて、骨盤の関節面があるお尻に負担が集中して、お尻に痛みが出現します。

産後の腰痛が改善するまでの施術内容。

妊娠と産中・産後の入院生活ですっかり歪み、産後のストレッチや筋トレで見事に悪化させた骨盤の歪みと腰痛を改善するために骨盤の歪みを取り、同時に骨盤の歪みによって生じた背骨ズレや股関節の捩れを取ります。

骨盤の歪みを取り一度正常な状態に戻し、その後、緩んだ骨盤を締めて安定させる体操を指導しました。

緩んだ骨盤を締める体操はこちら→産後の腰痛に効果がある。「骨盤スクワット」

骨盤が安定することで骨盤を支える筋肉への負担が軽減され、次第に筋肉の緊張が緩んで慢性腰痛が改善されました。

「産後の腰痛」の経過。

初回の施術で前屈みになった時の腰の左側の痛みが消え、立ち座りが楽になりました。

その後4回目まで週一回、背骨と骨盤と捩れた右の股関節の施術を行い、骨盤の歪みがほぼ改善されたため、骨盤の緩みを予防し安定させる「骨盤スクワット」を指導した。

5、6、7回目で最後まで残っていた左のお尻の痛みも改善したため、次回から2週に1回の施術とした。

7、8回目で、症状の悪化が見られないので施術を月一として現在はメンテナンスとして通っている。

施術期間は3ヶ月半、計8回の施術で日常生活上問題ないレベルまで改善。

妊娠中に入院などで寝たきりの生活が続くと骨盤が緩み、その緩んだ骨盤を安定させるためにお尻や腰の筋肉が緊張します。

この時に緩んで歪んだ骨盤を直さずに、硬くなった筋肉をヨガやストレッチで伸ばし、さらに弱った筋肉を筋トレで鍛えたりすると、骨盤の歪みを悪化させ、歪んだ状態を固定させるために腰痛が悪化します。

産後は腰痛がなくても骨盤が緩んでいることが多いので、まずカイロプラクティックの施術で骨盤の緩みをとり、歪みを改善しましょう。

もし産後の腰痛でお悩みでしたら、是非一度、当院へご相談ください。

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