昨日は渋谷の「UPLINK」という公民館のホール程度の小さな映画館で公開されている「シーモアさんと大人のための人生入門」という映画を観に出かけた。
予告編映像はこちら→「シーモアさんと大人のための人生入門」予告編
シーモアさんとはシーモアバーンスタインというおん歳89歳のピアノの先生。映画を撮っているときは確か84歳。
50歳までコンサートピアニストとして活躍していたが、自身が自分の演奏に満足感を覚えたその50歳に、コンサートピアニストを引退し、以来、華々しい表舞台から姿を消し、現在も現役で生徒に教えながら作曲活動なども続けている。
この映画は、監督で俳優のイーサン・ホークが、パーティーでたまたま隣の席に座っていたシーモアさんと意気投合。
初対面のシーモアさんに役者として表現者としての悩みを打ち明け、その人柄と魅力に感動したことをきっかけに撮影されたドキュメンタリー映画。
映画はレッスン風景を中心に進み、シーモアさんの人生の軌跡や関係者との対話をを通して、彼のレッスンの魅力が浮き彫りにされてゆく。
レッスン中のシーモアさんは冗談を言いながら生徒に語りかけるが、演奏に耳を傾けながら楽譜を見つめるときの彼の目は、まるでマフィアのボスがファミリー内の裏切り者に詰め寄るような凄みのある目つきに変わる。
そして言い方はとても柔和だが、語る内容は鋭い。
私は音楽のことはよくわからないが、シーモアさんの指導内容はかなり厳格な教え方をしているように感じた。
もちろん声を荒げて怒鳴ることはしないし、生徒に楽譜通りに忠実に弾くように強要するわけではない。
シーモアさんの「厳格」というのは、なぜここに休符がついているのか?なぜ強く弾くのか?作曲家になったつもりで考え、作曲家が意図するルールに厳格に従うように指導しているように見える。
そのせいか映画の中でグレングールドの映像と彼のエピソードが語られる場面があるが、シーモさんは、グールドに対してあまりいい印象を抱いていないようだった。
私の勝手な想像だが、おそらく天才ゆえに作曲家の意図をすっ飛ばして自分の世界を演奏するグルードが気に入らなかったのかもしれない。
そんなグールドに苦い顔を見せていたシーモさんもクリフォード・カーソンはベタ誉めだった。
シーモアさんの生徒さんたちは、単に自身の演奏の技術や表現力の向上のためだけにレッスンを受けているわけではない。
シーモアさんの凄いところは、音楽を通して生徒さんの心の奥深いところにある源泉(情熱や才能)に気付かせ、そして生徒の持っている全てを一つの課題曲の演奏のために統合し、全力で向き合うように導いている。それも横から余計な口を挟むことなく、生徒の力を引き出している。
その中で生徒さんの心の中に自信と喜びが生まれるのだろう。それは技術の向上による自信ではない。もっと人生にかかる深いところから湧き上がる自信だろう。
彼らは、レッスンを通して人生にとって大切なものをシーモアさんから教わっているから、あんなにも幸せそうなんだろう。
映画の中でもシーモアさんは以下のように語っていた。
「音楽家としての自分と普段の自分を深いレベルで一致させる事ができると、やがて音楽と人生は相互に作用し、果てしない充実感に満たされる。」
だからシーモアさんのレッスンはピアノとは関係なく、誰の心にも響く。
この映画は、シーモアさんと生徒とのやりとり、指導している内容、楽しそうにピアノを弾く姿、色々学ぶものは多いが、とにかくこ89歳の爺さんの自然な姿と時間の流れをそのまま観て欲しい。
何かに注目すればとたん肝心なものを損なってしまうだろう。能書き抜きで感じてもらいたい。そんな映画です。
今月末にも横浜で上映されるので、まだ見てない人は是非、観ることをお勧めします。
劇場情報はこちら→劇場情報
映画館の帰り道、商店街でドイツ軍の零戦の品揃えが半端ないプラモ屋を発見!
ガンプラやフィギュア一切なし!看板にバルケンクロイツ、とんがってるなー。
怖くて中には入れませんでした。
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