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筋力を鍛えるより筋感覚を鍛える!

感覚器としての筋肉。

筋肉というと筋力だけが注目され、筋肉を鍛えるというと筋力をアップさせ、筋肉を肥大させること、つまり「マッチョ」になることだと思われている節があります。

しかし筋肉は力を発揮するだけでなく、実は感覚器としての機能も果たしています。

スポーツで怪我を防ぎ、パフォーマンスを上げるには筋力を鍛えるよりも、この感覚器としての筋肉である「筋感覚」を鍛える方がとても重要です。

筋肉は筋肉の伸び縮みを検知し、その情報を脊髄の反射中枢や脳へ送る感覚器として役割を担っています。そしてこの筋肉の伸び縮みという情報を元に筋肉の緊張つまり筋肉の硬さや体の硬さが決められています。

この筋肉の伸び縮みを感知する器官のことを「筋紡錘」と言います。筋紡錘は図1のように筋繊維の中にあり、筋肉の長さの変化を常にモニタリングしています。

図1※南江堂「ネッター医学図譜 脳・神経系Ⅰ 構造と機能 学生版」より抜粋。

そして筋肉が伸ばされた情報を筋紡錘が検知すると、その情報は中枢へと送ります。そして中枢は筋肉に対して筋肉を収縮するよう指令を出し、そして筋肉が縮みます。

この伸び縮みを感知する器官は筋肉だけでなく、筋肉と直列につながり、筋と骨とを繋げている腱にもあり、それを「腱紡錘」と言います。(図1)

腱紡錘は腱の長さの変化を検知し、筋紡錘同様、腱が伸ばされた情報を脳へ送り、中枢は筋肉に対して筋肉を緩めるよう指令を出し、筋肉が緩んで伸ばされた腱は元の長さに戻ります。

筋肉の緊張を決めるのは筋肉ではない。

筋紡錘と腱紡錘の反射による筋緊張の制御から分かる通り、筋緊張は筋紡錘と腱紡錘という感覚器の情報と中枢による感覚情報の処理によって決まります。

筋肉が伸ばされると筋繊維内の筋紡錘が筋肉の長さの変化を感知してその情報を中枢へ送り、中枢は筋紡錘からの情報を受けて筋肉を収縮させます。そして、筋肉が強く収縮して直列につながっている腱を伸ばすと、腱紡錘が働き、中枢を介して筋肉が緩みます。

このように筋肉の緊張は感覚情報によって決まります。そのため、スポーツの中で起きる変化に即座に対応できる優れた筋肉にするには、「筋肉の感覚」を高める必要があります。「筋感覚」を高めることによって筋肉は筋緊張をコントロールして「最適な緊張状態」を保つことができます。
筋肉が最適な緊張状態にあれば、急な動作の変化にも対応でき、余計な緊張がないのでパフォーマンスも上がり、さらに怪我しにくくなります。

「筋肉の感覚」を高めつつ筋トレをするとそれこそイチローのような素晴らしい筋肉になるでしょうが、単に「筋力」だけ鍛えたなら、ボディービル向け「マッチョ」になるだけです。

スポーツはとても複雑で様々な動作を伴います。ボディービルのポージングや筋トレのような単純な運動の繰り返しではありません。

最低限必要な筋力を鍛えるために、ある程度の筋トレは必要です。しかし、それよりも総合的なパフォーマンスが要求される「運動能力」をアップさせるには「筋感覚」を鍛えた方が効果的です。

筋感覚を鍛えるストレッチ。

筋感覚を鍛えるのに最も適した運動というのが、実はこのサイトで否定され続けている「ストレッチ」です。
ただ、私の言うストレッチとはみなさんが思い描いている「硬くなった筋肉を伸ばして緩める」タイプのストレッチではありません。

筋肉を伸ばして筋紡錘を刺激し、現在の状態を脳に送って「体の状態や筋肉や関節の状態を脳に認知させる」ためのストレッチです。

先ほども述べた通り、筋肉は伸ばせば縮む性質しかありませんし、さらに筋肉を伸ばして腱紡錘まで刺激して伸ばせば筋肉は緩むでしょうが、そこまでやれば確実に関節や関節周りの靭帯を痛めます。

つまり筋肉の緊張を決めるのは脊髄や脳と言った中枢にあるので、ストレッチの目的は筋肉が張って硬くなり不必要な緊張状態にある現状を脳に知らせることです。

なので、必要以上に筋肉を伸ばしません。ストレッチをしても固いままならその状態を維持し、その状態を維持して脳に伝えます。

そうすることで自然と緩むこともありますが、そうでない場合もあります。なぜなら筋肉の緊張は中枢の状況つまり精神状態や感情の起伏、そのほか内蔵のコンディションなど様々な要因が絡むからです。

本来ヨガもストレッチも、最近はやりのピラティスも体を通して自分の体の状態や精神の状態と向き合うためのものでした。それがいつの間にか、難しいポーズをするために体を無理に柔らかくする競技的な側面が強くなった結果、逆に体を壊す人が増えました。

確かにグイグイ伸ばした方が達成感もあり「イタ気持ちいい」から、すぐに筋肉がほぐれる気がするでしょうが、筋肉が緩む前に関節が壊れて、50を過ぎてから股関節痛や膝関節痛になるのがオチです。

ストレッチやヨガ、ピラティスをやられる方は、固い筋肉を伸ばしたり、無理なポーズを取ることを目的にせず、一度、原点に帰って自分の体の状態を知ることを目的にやってください。

柔らかさを競うのではなく、筋感覚を時間をかけて高める目的でストレッチやヨガに励んでみましょう。

動画による説明:筋感覚とストレッチの害について。

 

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藤田 和広

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藤田 和広

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