テニス肘と骨盤の歪みの関係。

目次

骨盤の歪みから生じるテニス肘。

テニス肘の直接の原因は肘の関節や筋肉の問題ですが、実は根本原因として骨盤の歪みが影響しています。

テニスで肘を壊す人の殆どは、体を捻ってラケットを振る「体の軸回旋」がうまくできないことが原因で「テニス肘」になっています。

「体の軸回旋」がうまく出来ないことで肩や肘の筋肉を酷使する「手打ち」になります。そのまま使い続けることで肘への負担が増え、「テニス肘」になります。

この「体の軸回旋」は骨盤を捻って回旋させることで生じます。

そのため骨盤が歪むと「体の軸回旋」が制限されます。

その結果、腕や肘の筋肉を酷使して「手打ち」になり、結果的に「テニス肘」になります。 特に「テニス肘」の他に以下の症状や所見に該当する人は要注意!

  1. テニス肘になる前に手首や親指が痛かった。
  2. テニス肘になる前に肩甲骨と背骨の間と首が強く痛かった。
  3. テニス肘と同側の膝や股関節が痛かった。
  4. テニス肘と反対側のお尻や腰がいつも張っている。
  5. 体が右に傾いて、股関節が内側(反時計回り)に捻れている。

テニス肘の原因

「テニス肘」の方で上記のリストに該当する人は、肘の問題ではなく骨盤の歪みが原因でテニス肘になった可能性が濃厚です。

このページでは骨盤の歪みからテニス肘に至るまでの過程を「右のテニス肘」を例に順を追って説明します。

橈骨のズレ

テニス肘の直接の原因は肘を酷使することで肘関節の「腕橈関節」と「橈尺関節」を構成する骨「橈骨」が上腕骨と尺骨からズレることによって生じます。(図1) 橈骨がズレると肘の運動のたびにズレた橈骨が周囲の筋肉や靭帯を傷つけて痛みを発します。

図1

体の軸回旋の制限

「橈骨のズレ」は「体の軸回旋」制限されることが原因で生じます。「体の軸回旋」が制限された分だけ腕や肘への負担が増え、その結果、橈骨がズレます。

骨盤の歪み。

「体の軸回旋」が制限される原因は骨盤の関節の「仙腸関節」がズレて骨盤が歪む事によって生じます。 「体の軸回旋」は骨盤を捻る筋肉が動力となって骨盤を回旋させ、その回旋が背骨を上行して「体の軸回旋」が生じます。

その動力となる筋肉が仙腸関節を跨いで付着する「中殿筋」です。(図2)

図2

この筋肉は歩行時に生じる骨盤の傾きを防ぎ、同時に骨盤を捻って回旋させます。

左の中殿筋が働くと骨盤が右に傾くのを防ぎ、同時に骨盤を反時計回りに捻ります。

しかし、この筋肉が付着する左の仙腸関節がズレて骨盤が歪むと、中殿筋の筋力が十分発揮できずに骨盤は右に傾き、捻る力も弱くなり、反時計回りに体を回旋させる「体の軸回旋」が制限されます。つまり、右利きの方がフォアハンドでラケットを振るために必要な軸回旋が制限されます。

さらに骨盤の歪みから来るギックリ腰や慢性腰痛で背中や腰回りの筋肉が硬くなることで、軸回旋がより制限されます。 こうして骨盤の歪みから「体の軸回旋」が制限され、腕や肘の運動で軸回旋の分を補おうと頑張ってラケットを振っているうちに「橈骨がズレ」て「テニス肘」になります。

右のテニス肘であれば大概、左の仙腸関節がズレて骨盤が歪みます。

骨盤の歪みからテニス肘までの流れ

左の仙腸関節がズレて骨盤が歪むと、左の中殿筋が筋力を十分発揮できずに骨盤を反時計回りに回旋させる動きが制限されます。

その結果「体の軸回旋」が制限されます。 軸回旋が制限されると、比較的自由に動く右の股関節を軸に体を捻り、ラケットを振ります。

股関節は背骨よりも可動域がはるかに大きいので最初のうちは大いに役立ちますが、そのまま続けていると捻る動作に弱い膝関節が捻られて、お皿の上あたりに痛みが生じます。

こうして最初に右の膝関節に痛みが生じます。 右膝を痛め、下肢を軸にした回旋運動が制限されると、右の肩甲骨の背骨側に引き寄せて、右腕を目一杯後ろに引いて肩が動く範囲を広げようとします。

これも長く続けていると、背骨から右肩甲骨の間に着く筋肉が強く張り、首や背中に痛みが生じます。(図3)

図3

そのうちこれも出来なくなり、腕や肘の運動でラケットを振る「手打ち」になります。 「手打ち」になると肘より先に支える筋肉が殆どない手首を痛めます。

手首を固定するために親指で強くグリップを握るので手首の親指側や親指の付け根に痛みが生じ、前腕の筋肉が強く緊張します。

前腕の筋肉に引っ張られるように「橈骨」が上腕骨から離れる方向へ、つまり「手首側」へ徐々にズレ、さらにボールの衝撃が肘に加わることで橈骨は尺骨から離れる方向へズレ、ズレた橈骨が周囲の組織を傷つけ痛みが生じたのが「テニス肘」です。

肘だけでなく全身の調整が必要!

テニスやゴルフの様に体を捻ってボールを思いっきり打つスポーツは、腕の力よりも体を捻る「体の軸回旋」が肝となります。

この軸回旋が骨盤の歪みや背中の張りなどで制限されると、そのしわ寄せが膝や肩へと波及し、結果的にテニス肘やゴルフ肘となります。

よっぽど短期間の間に肘を酷使した場合を除き、殆どのテニス肘は肘だけの問題で生じるわけではありません。

そのため、肘の問題だけ処置しても効果がなく、根本的な解決のためには骨盤を含めた全身の施術が必要になります。 テニス肘の他に上記のリストで挙げた症状や所見がある方は、骨盤の他にも色々と歪みを抱えていると思われますので、是非、いちど当院の施術を受けることをお勧めします。

動画で説明:テニス肘と骨盤の歪みの関係。

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藤田 和広

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藤田 和広

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