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25年前の新社会人からお祝いの挨拶。

思えば25年前の3月31日、自分も明日入社式を控えた学生だった。

当時はバブルがはじけた後で就職氷河期と言われていたが、高卒でもほぼ正社員として就職できた。

当時の私は、幸か不幸か比較的すんなり就職できたが、生活できる金さえもらえればどこでもいい思っていたから、別にやりたい事もなく、将来に何も期待していなかった。

これから先、ずっと労働に費やされるのかと思うとウンザリしていた。それが入社式を明日に控えた25年前の心境だった。

あの当時の私は、本当に会社を舐めていて、時間通り出勤して仕事をしているふりをしていた。よく下らないミスを連発していたが、誠心誠意謝り反省しているふりをして、好印象だけ与えていた。

そして意味不明な理想と根拠のない盲信を掲げ、目の前の仕事を完全にバカにしていた。そのくせ何かをやるわけでなく、卑屈に会社にしがみついていた。

そのうちに全く使い物にならないから、人身御供として東京へ出向する事になった。環境が変わっても単に遊ぶ場所が横須賀と東京に増えただけだった。

東京に移って半年もしないうちに「これ以上いても無駄だ」と思い辞めようと思ったが、どうせやめるなら最後の半年は半ば暇つぶしも兼ねて自分を捨てて目の前の仕事に集中しようと思い、自分を殺して働いた。

仕事に集中することで、大して面白くない仕事を通して自分の仕事のやり方や得意・不得意、能力を発揮しやすい環境や時間帯を知ることができ、それらを伸ばしすことに日々の時間を費やした。

すると次第に自分の得意な環境を交渉して整備し、仕事のやり方を確立できるようになった。

自分は人と組んで仕事をするより、完全に1人にされた方が能力が発揮できる。

また、どんな悪文でも文章を読んだ方が内容を理解できるが、口頭では聞く気すら失せてしまう。

発案と中身を詰める作業が得意だが、概略を決めるのが苦手である。

上司の下で能力を発揮する参謀タイプで、面倒臭い上司よりも部下の方が苦手。それが無能だとガン無視する。

これらは自己啓発セミナーでは分からない、自分の素を現場に晒し、ど突かれ、褒めそやされたり、罵倒されたりしながら、目の前の仕事にドップリ浸からないと分からない。

よく、賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶという。

才能があり賢い人は、ビジネス書などから他人の経験という歴史を通して、自分の得手不得手を理解できるが、凡人はやってみないと分からないから、経験という個人的な歴史からしか学べない。それも大抵、失敗からしか学べない。

そして私は完全に後者に属していたから、最初は自分の能力を知るためのサンドバック期間だと諦めて、自分の美醜善悪を晒して色々試し、能力がない分野は素直に能力がないと認め、あれこれ模索していくしかなかった。

その半年の間に運良く資格を習得でき、首が繋がった。そして気がつけば周りは自分のことを勝手にエンジニアだと認めるようになり、自分もエンジニアだと思い込むようになっていた。そして、東京へ引っ越し、もう少し働く気になった。

仕事を通して自分を知り、「このポンコツを使い倒す!」と腹を括ってあれこれやっているうちに自信らしきものが芽生えてきた。

社会人なりたての頃は自信もなく能力もなく、やりたい事もなかったが、仕事にコミットするようになると次第に自信もついた。

自信がつくと出来ることが増え、「やりたいこと」が見えてくる。1999年の年末、カイロプラクティックカレッジの看板を目にし、冷やかしで学校をのぞいたらそのまま入学、なんの躊躇もなく会社を辞め底辺カイロプラクターになった。おそらく新人以来自分がやりたかったこととは、「会社を辞める」ことだったのだろう。

自分は何ができて何ができないのか?これが分からなければ自信を持って「イエス」や「ノー」も言えない。そんな奴がいくら働いても、主体性もなく人の言いなりになって働くだけだから能力なんてまず身に付かない。

そして能力が無けれは無力な子供と同じ。ママやパパに依存する子供のように会社に依存し、給料上げろ!や昇進させろ!など会社に「して欲しいこと」しか訴えることが出来ず、「やりたい事」など見つけられない。

たとえ「やりたいこと」を見つけられても結局、無力だから何一つ実現できない。

もしこれを読んでいる人が25年前の私のように、ただ給料欲しさに就職したはいいが、「やりたいこと」が見つからない新社会人ならば、とにかく数年は目の前のことにコミットし、退屈な仕事を通して自分を知り、自信をつけ能力を伸ばすことに専念した方が、一見遠回りに見えても確実に自信につながり、「やりたいこと」なり「やるべきこと」なり「やってはいけないこと」が分かるようになるだろう。語学や資格といった仕事に必要なスキルの習得は、その後でも遅くはない。

ただ、何事も損切りは必要だから、「向かない」「合わない」と思ったら躊躇なく損切りしよう。

社会人は学生よりしがらみや、多くの責任が伴うが、その分、裁量が増えるから相対的に見ると「やりたい」事が増えて自由である。

それでは、社会人の皆様、おめでとうございます。

明日から緩く頑張ってください。世の中なんとでもなります。

もし肩や腰が痛くなったらいつでも来てください。

藤田 和広

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藤田 和広

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