ジョギングで生じる内転筋の張り。

目次

相談内容:右内転筋の張り

当院に来院されている30代男性会社員の患者さんからの相談。

ジョギングの後半になると(10キロ)超えると右の内腿が張ります。

脚を開いて体を前に倒すストレッチをすると右の内太腿だけが張り、いくらやっても緩みません。

姿勢や歩き方が悪いせいなのでしょうか?他に原因があるのか?または効果的なストレッチなどがあれば教えてください。

上記のような内容の相談をLINEで受けました。

右内転筋が張る原因

この方の張っている筋肉は右内太腿に着く内転筋群と言われる筋肉です。

内転筋群は、恥骨筋、長内転筋、薄筋、短内転筋と大内転筋のことを言い、これらは股を閉じる(大腿内転させる)筋肉です。

この中で、大内転筋には前頭と後頭という2つの頭があり、「後頭」だけは内転の他に、しゃがんでから立ち上がったり、地面を蹴って走り出す時に股関節を伸展させる「伸展筋」として機能します。図1

図1

走っている時に張ってくる筋肉は恐らく大内転筋後頭で、この方は主に右足で地面を蹴って走っていると考えられます。

そのことを本人に確認すると、決まってシューズは右踵の外側が減るという返事が返ってきました。

これは、右足で強く地面を蹴り、さらに右足に体重をかけて走っている証拠です。

大内転筋後頭は股関節内転筋でありながら伸展筋として機能しますが、ガチな伸展筋よりも筋力が弱いので、酷使するとすぐ硬く緊張します。

さらに体が右に傾いていたり、前傾姿勢が加わると、右股関節への負担が増し、股関節が内側に捻れて「内旋」します。

股関節が内旋すると内転筋群が緊張するので、結果的に大内転筋後頭の張りが強くなります。

本人に体の傾きなどを確認すると、確かに体は右に傾き、一週間ほど前から右股関節の付け根が張る。という返事が返ってきました。

右股関節の付け根(ソケイ部)の張りは股関節が内旋し、周囲の筋肉が緊張している証拠です。

つまり指摘した内容が全て合致していたことがわかりました。

大内転筋後頭の緩め方。

大内転筋後頭の緊張を緩めるには、まず筋肉に加わる余計な負担を減らすことです。

負担を減らすために以下のことに注意して走るようにアドバイスしました。

  1. 体の前傾や側屈など「体の傾き」に注意する。
  2. 歩幅に左右差が生じないように注意する。
  3. 走行時は体を捻って骨盤を回旋させて走ること。

1. 体の前傾や側屈など「体の傾き」に注意する。

走行時の前傾姿勢はある程度であれば構いませんが、あまり前傾が強くなると太腿や内太腿の筋肉への負担が増え、結果的に張りや痛みが生じます。

体が側屈していると傾いている側の下肢に負担が集中し、張りや痛みを引き起こします。

2. 歩幅に左右差が生じないように注意する。

歩幅に左右差が生じると歩幅が広い側に体が傾きます。そのまま走り続ければ、結果的に足への負担が増えて張りや痛みを引き起こします。

3. 走行時は体を捻って骨盤を回旋させて走ること。

体の捻りや骨盤の回旋は走行時に生じる体の揺れや傾きを抑える働きがあります。

回旋が弱い、または不均衡だと揺れや体の傾きが生じ、足への負担が増えます。

院長からアドバイス。

右足への負担を取り除かずにストレッチで内転筋を緩めても、対処療法にしかなりません。

まずは、走るときは上記のことを注意して走るように回答しました。

その後、相談者から、以下のような返事をいただきました。

今はジョギングのペースを落として、注意点を護って走っていたら右内太腿の張りは無くなりました。

ストレッチをするとまだ左より硬いですが、今後も走っている時の姿勢に気をつけながらストレッチで緩めます。

ありがとうございました。

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藤田 和広

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藤田 和広

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