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30代女性会社員が右手首の痛みを訴え来院。
手首を反らしたり、手をついたり、ビンの蓋を開ける動作で右手首の甲の小指側が痛む。図1
正月に帰省し母親の介護をしていた時のことです。
おぼつかない足取りの母の手を支えながら歩かせている最中。
突然母がよろけ、とっさに右手首を掴まれて引っ張られたときに、手首に激痛が走りました。
2〜3日手首を湿布で冷やし、サポーターで固定して過ごしました。
今は腫れも引きだいぶ良くなりましたが、手首を反らしたり、瓶の蓋やペットポトルのキャップを開けたりすると、右手首の甲の小指側が痛みます。図1
二週間ほど前にスポーツクラブのストレッチ用のマットに手をついて立ち上がろうとした時に手首を軽く捻った。
そのときは一瞬痛かったが、それ以降痛むことはなかった。
患部を触っても殆ど痛みはないが、手首を反らすと二十度ぐらいで痛みだし、それ以上反らせない。
右手首の関節を調べると、右遠位橈尺関節(図2)がやや緩んでいて、関節をまたぐ手首を反らす筋肉の尺側手根伸筋の腱(図3)が痛みを発している。
二週間前に手首を捻ったときに遠位橈尺関節が緩み、今回の介護で手首を掴まれて引っ張られた事がきっかけとなり、尺側手根伸筋の腱(図3)を痛めました。
手をつくと手首が固定され、その状態で体を起こすと、手首に対して押す力と前腕を内側に捻る力「回内させる」が加わります。
手首が開放されている状態で前腕を回内させた場合、尺骨上を橈骨が回転します。
しかし手をついたり、物を掴んだ状態では手首が固定され、同時に橈骨も固定されます。
その状態で前腕を回内させると固定された橈骨上を尺骨がわずかに回転します。
しかしこの動きは正常な関節運動とは違うので、遠位橈尺関節が緩みます。
遠位橈尺関節が緩めば関節の支えが悪くなるため、そのぶん筋肉への負担が増えます。
介助で体を支える動作では体重などの負荷は主に尺側手根伸筋に負荷が集中します。
そこへ、よろめいてほぼ全体重が手首に加わり、さらにとっさに手首を掴まれて引っ張られたことがトドメとなり、右の尺側手根伸筋腱を痛めました。
①ズレた尺骨を矯正し、緩んだ右遠位橈尺関節を安定させました。
②肩甲骨のズレを取るために猫背を矯正しました。
猫背になると肩甲骨を背骨側に引き寄せる筋肉が弱くなり、肩甲骨が外側にズレます。
肩甲骨の位置がズレると、上腕や前腕の筋力は十分発揮できなくなり、結果的に負荷に近い手首に負担が集中することで手首を痛めます。
③自宅で予防に努められるように、冷却法と遠位橈尺関節を安定させるための対処法を指導しました。
上記の処置を1回目の施術で行い、手首を反らした時の痛みの8割は改善されました。
二度目の来院時では、強く手をつくと多少痛むが、瓶の蓋を開けたり、ちょっと手をついた程度では痛みはないとのこと。
2回目も前回と同じ処置を行い、施術は終了しました。
手首の痛みは、関節の構造と動きが複雑なので、一度痛めると、なかなか良くならない厄介な症状ですが、この方のように遠位橈尺関節が緩んだ程度であれば、改善は簡単です。
また軽いものであれば自分で防ぐことも可能です。
その方法は下記のリンクで紹介しています。
やり方はこちら→手首の痛みの対処法
ただし手首に腫れや熱感がある場合や関節に変形や骨折がある場合はやらないように。
基本自己責任でお試しください。
もし分からないことがございましたら、当院へご相談ください。
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