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心身と呼吸の関係

長時間のデスクワークは体が硬直し、呼吸が浅くなる。このような体の硬直と呼吸は非常にメンタルに影響する。人間の場合は動物と違い体の動作と呼吸が分離しているため、メンタルが呼吸の乱れや抑圧の影響を受けやすい。この分離は人間特有の現象で、この分離は二足歩行によってもたらされたと言われている。

犬やウマのような四つ足動物は足取りのリズムに合わせて呼吸をする。つまり足取りが早くなれば、前足の動きに連動して呼吸が早くも遅くもなる。一方、人間は、二足歩行によって移動から手が解放された事で、前足の動きに合わせて呼吸が増減する事はなく、意識的に増減させることができる。呼吸を自由に制御するために胸郭へと伸びている呼吸を制御するための神経が人間の場合は他の四足動物よりも発達している。そのおかげで人間は発話することができるようになった。だが、同時に体の動きと呼吸が分断された。

動物は体の動きと呼吸が一致している。それはヨガや太極拳が目指している心身が統一された状態だ。だから動物は悩まないし精神を病むことがない。一方、人間はというと言語が人々の分断を招いたように、体と呼吸が分断され、そのせいで心身も分断され、身体という現実と精神という仮想世界とが乖離した状態にある。

戦前、精神療養の手段として下駄を手にはめて、四つん這いで野原を動物のように這い回ることをさせていたという。また禅寺では修行僧が四つん這いになって長い廊下を雑巾掛けをさせている。
これらなどは単に動作を動物に退化させる事で精神も動物に退化させて精神を鎮めるのではなく、四つん這いで走り回ることで呼吸を強制的に連動させ、分離した心身を統一する効果がるのかもしれない。

身体と心は決して別物ではない。だからどちらかに異常があれば必ず他方にもその兆候が現れる。長時間の座り仕事で筋肉が強張り腰痛肩こりがあり、それに加えて呼吸が浅く日々無気力や慢性疲労に悩まされている方は要注意だ。その常態が慢性化すれば心ー身の分離が進んで体は無視され、そのうち痛みや張りすら感じななる。

そうなる前にヨガや太極拳のような呼吸と体の動作を同調させる体操をするといいだろう。だがあまり凝りや背骨の歪みなどが強いと肝心な動作が満足に出来ないし、呼吸が浅いと息切れして辛いだけなので、カイロプラクティックの施術で歪んだ肋骨や背骨を矯正して呼吸を開放してからの方がいいだろう。

藤田 和広

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