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仕事のほとんどが肉体労働だった「昔のギックリ腰」と、座り仕事が主流の「現代のギックリ腰」では、痛くて動けなくなる症状が同じでも原因は全く異なります。
この座り仕事によるギックリ腰を肉体労働時代のギックリ腰と同じ方法で処置すると、なかなか良くならないどころか、逆に悪化することもあります。
今回は、ギックリ腰にもいろいろあることを知っていただくために、座り仕事が原因で生じるギックリ腰にポイントを絞って詳しく説明いたします。
座り仕事でギックリ腰を繰り返す人は、是非、参考にしてください。
立ち仕事や肉体労働で生じるギックリ腰は主に腰の骨である腰椎やその周りの筋肉の問題が原因ですが、座り仕事のギックリ腰は、長年の座り仕事によって歪んだ骨盤が原因です。
長期にわたって座りっぱなしの状態が続くと、椅子とお尻が当たる坐骨が徐々に開き、骨盤の関節である「仙腸関節」に負担が集中し、関節がズレて不安定になります。(図1)
仙腸関節が不安定になると仙腸関節を支えている靭帯や筋肉に負担が集中します。その時、靭帯は引き伸ばされ、お尻周りの筋肉は関節を支えるために緊張します。
ギックリ腰になる前に、お尻周りが痛くなることがよくありますが、これは不安定になった仙腸関節を支えるためにお尻の筋肉が強く緊張し、痛みを発します。
これを、硬いからといってマッサージやストレッチでほぐすと、たいがいギックリ腰になります。
お尻周りの筋肉が張り、痛くなってきたら、靭帯が緩んで関節が不安定になっている可能性が高いので要注意! ギックリ腰の一歩手前です。
そのまま、数日か数週間経ったある日、くしゃみや洗顔などで前かがみになったり、中腰になったりした時に、不安定な関節が急に動かされて筋肉を痛め、靭帯を捻って激しい痛みが生じます。
これが、座り仕事からギックリ腰に至る主な流れですです。
この場合、座ると余計に骨盤が歪み、さらに仙腸関節に負担がかかるので痛みが増します。その代わり、立ったり歩いたりしていると仙腸関節が上と下から圧迫されて安定するため楽になります。
骨盤の歪みを増強させ、ギックリ腰を引き起こす引き金になる生活習慣!
①足を組む
足を組む人は、上に組んでいる側の坐骨が開き、さらに片側に体重が集中するので、骨盤の歪みをより増強させます。
症状は、足を上に組んでいる側の股の付け根に痛みが出て、下側は、お尻に痛みが出る傾向があります。
この手のぎっくり腰は、骨盤だけでなく股関節にも問題が生じていることが多いため、非常に治りづらい傾向があります。
②よく沈むソファーに座る。
フカフカのソファーはゆったりリラックスできるので腰には良さそうに見えますが、実際は硬めの椅子よりも骨盤が沈むので、歪みが強くなります。
日本人は筋肉も骨も太い欧米人と違い華奢なので、柔らかいソファーや寝具で寝ると、比較的重たい腰や骨盤が沈み、そこに重量が集中する関係で関節が緩んで腰痛になります。
③低い椅子やソファーに座る。
低い椅子とは、座ると膝頭が骨盤よりも上に位置してしまう椅子のことです。
古い喫茶店や、スタバのテーブル席にあるラウンジチェアーのような椅子です。
この手の椅子に座ると体が前かがみになり、骨盤が後ろに傾きます。
このような座り方は、仙腸関節に負担が集中し、骨盤が開く形で歪みが生じ、長い時間座っていると確実に腰痛になります。
④長座・横坐り。
長座では足を前に出して座るため骨盤が後ろに傾き、横ずわりでは、骨盤が横に傾きかつ捻れが加わります。
骨盤の歪みを助長するだけなのでやめましょう。
⑤ストレッチ。 座り仕事の人は、普段の運動不足からの罪悪感からかストレッチを一生懸命やる人が多いのですが、だいたい腰痛を悪化させます。
腰回りの張った筋肉を伸ばそうと体前屈をやってよく壊します。(図2)
図2
そもそも、関節を安定させるために硬くなった筋肉をほぐしたり、緩めたりすれば、余計に関節が不安定になるので、逆効果です。
また、硬くなった筋肉だけ伸ばすことはできませんし、筋肉が伸びきる前に関節を壊すことが多いので、生兵法的なストレッチはやめてください。
座り仕事でなったギックリ腰は、長い時間かけて仙腸関節の靭帯を捻挫させているので、ある意味外傷と同じです。なので、ギックリ腰になった時の処置も外傷と同じです。その処置とは、以下の3つ。
痛くて動けない急性期のぎっくり腰から、なんとか歩ける回復期のぎっくり腰までの対処法をこちらで紹介していますので是非、参考にしてください。→「痛い!動けない!ギックリ腰の対処法。」
筋トレとかやりたくなるでしょうが、骨盤が歪んだ状態で筋トレしても大した効果はありませんし、下手したら歪みを助長させる可能性があります。
なので座り仕事の人は、とにかく歩いてください。歩く時は、前傾姿勢でちょこちょこ歩くのではなく、重心をやや踵側に残し、大股で歩きましょう。
重心が踵側になるように意識しながら歩くと、後ろ足が地面に接している時間が長くなり、必然的に大股になります。
ウォーキングはストレッチや筋トレのように「やった感」もなければ「達成感」もない地味ですが、これが最も効果があります。
歩くだけでも骨盤が安定するので、とにかく20分以上、歩きましょう。
ふじたカイロプラクティックは2016年6月開業の整体院。 院長は臨床経験15年。
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