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「いい竿の日」は諏訪神社の酉の市。

「いい竿」の日である11月30日は、横須賀の諏訪神社で酉の市があった。

場末感漂い、とっても如何わしい飲食店が軒を連ねる若松マーケットという場所に諏訪神社はあり、場所柄、酉の市になると商売繁盛の熊手を買いに若松マーケット界隈でキャバレーやスナックやバーを営むママやマスター、そこで働くホステス達で賑わいます。

そんな若松町も年々、年寄りが増えて金回りが悪くなっていった。

昔の若松マーケット界隈は、派手な美人や強面のおっちゃんが多く、金回りも良くて派手だった。

今はかつての美人ママはケバいおばちゃんになり、強面のおっちゃん達は皆爺さんになってとっくに土の中、彼らが経営していた、いかがわしい飲食店や風俗店もなくなり、かつての派手さはなく、場末感だけが漂う街になった。

私が子供の頃は、若松町も羽振りが良く、みな派手な熊手を買って見栄を競い合っていた。

熊手も花輪のように馬鹿でかいものが普通に店頭で飾られ、実際に買って行く人もいた。

そんなでかい熊手が売れた時は、店の人と一緒に「よ、よ、よいっ、」と囃し立てると、お小遣いがもらえた。だいたいそんなのを買っていくのは、身なりも金遣いも派手な「お水」やいかにも強面の「ヤ○ザ」だった。

子供が食い物にされるだけの「祭り」と違い、酉の市は稼げたので、祭りより酉の市の方が好だ。

酉の市になるとバカガキ3人は「お囃子隊」を結成し、スナックのママ風のケバい女性やヤ○ザ風の強面のおっちゃんの後をついて回り、熊手が売れると染之助染太郎ばりに囃し立てて小遣いを貰っていた。

毛皮を纏い、やたら香水臭く、やたら細いタバコを咥えた「お水」の後をついて回り、熊手を買うと店の人と一緒になって「よよよいっ」と囃し立てると、とびっきりの作り笑顔と酒焼けしたガラガラ声で「ありがとっ」とい言って、金ぴかの財布から小銭をくれた。

小遣いは的屋で物が買える最低料金の100円以上が相場だが、たまに100円以下の小銭をよこすと「しけてやがらぁ、これじゃ神社の水しか飲めねぇ!」と悪態をついた。

すると、お水は顔は厚化粧にヒビが入りそうなほど顔が引きつっていた。

強面のおっちゃん達はそれこそ、花輪のように馬鹿でかい熊手を購入し、それを若い衆に担がせていた。

おっちゃんは参道を肩で風を切って悠々と歩き、その後ろを若い衆が十字架を担ぐキリストのようにヨタヨタしながら歩いていた。

パンチパーマに金キラの時計やブレスレット、腕や襟元から見える和彫をチェックし、それらしい特徴の人を見つけるとお囃子隊がピッタリ張り付き、熊手を買ったらすかさず囃し立てた。

おっちゃんの方が羽振りが良く大概、指が切れそうなくらいパリッとした1000円札をくれた。

それを3人で分け、端数は考案者である自分の取り分にした。

おかげで駄菓子屋でスルメを咥えて飢えをしのいでいたのが、ピノやエンゼルパイと言ったブルジョワなお菓子が食え、いつも駄菓子屋の1ゲーム10円のパチモノ基盤の型落ちゲームから、さいか屋の屋上にある1ゲーム100円のゲームコーナーで最新のゲームがを遊ぶことができた。

バカガキどもはこのお囃子ビジネスに味をしめ、来年も稼がせてもらうつもりだったが、同じ同級生によるタレコミでご破算になった。

御駄賃を10円しか払わないケチでケバいオバンお水に思いっきり「しみったれたクソババア」呼ばわりしたら、それが同級生の母親だった。

そのオバンと授業参観で思いっきり鉢合わせにねり、「このクソガキ」ということになり、担任や親にタレコミされ、ビジネスが発覚。

このオバンは「お水」でもなんでもなくただの派手で厚化粧なただの「主婦」だった。

その後、色々一悶着があり、翌年からお酉さんに学校の先生やPTAが見回るようになって、稼げなくなった。

あれから30年以上たち、酉の市にも不況の波と高齢化の波が押し寄せ、もう昔のような活気はない。

活気はなくとも「よよよいっ!」の掛け声を聞き、お清め用の火打石が発する火花を見ると、もう稼げないのはわかっていても、なんとなく嬉しくなる。

結局、熊手は買わずに酉の市を後にしようとしたら、神社の門前に「荒井だるま屋」という屋号を見つけ、なんとなく覗いてみたら可愛い猫の達磨があった。

どれも手作り品の「だるま」ということで、平塚では有名な老舗のだるま屋らしい。

うちの近所のバカ野良猫はニャーニャー鳴いて餌をねだるだけで、なんの役にも立たないから、招き猫がわりにこの達磨を買った。買ってから同封された説明書きを読むと、これは干支にちなんだ犬達磨だった。

でも、これはどうみても猫のような気がする。まぁ、当院が繁盛してくれれば犬の達磨だろうが厚化粧のお水の達磨だろうが何でも構いません。

動画:諏訪神社の酉の市

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藤田 和広

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藤田 和広

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