症例:水が溜まる左膝の痛み。

左膝関節痛について。

60代の女性が左膝の痛みを訴え来院。

膝関節痛の経緯。

半年前から歩行や階段の上りで左膝の皿(膝蓋骨)周辺やその下が痛みます。図1

図1

当初、サポーターを巻いたり湿布を貼ったりしながら騙し騙し仕事をしていましたが(仕事は立ち仕事で惣菜を詰める作業)痛みがさらに増した上に左膝が腫れ、水が溜まったので整形外科を受診。

レントゲン撮影の結果、軟骨がすり減り、骨が変形している「変形性膝関節症」と診断された。

湿布や痛み止めなどを処方され、後日、膝に溜まった水を抜いてもらった。

何度か受診し、その度に水を抜いたが状況はほとんど変わらず、しまいに手術を勧められたので、整形外科に行くのをやめた。

自宅でリハビリをしながら静養していたら、痛みはだいぶマシになりました。

病院には行かず、近所の整骨院に通ってみたがあまり変わらず、1ヶ月前に近所の整体へ行ったら「左腿の外側が張っている」と言われ強く揉まれた。

そしたら翌朝左足の痛みで目が覚め、ベッドから足を出そうとすると痛くて足が動かせなくなり、その日は一日痛くて歩けなかった。

丸一日、安静にしていたら痛みは引き、翌日には足を引きずりながらですが、歩けるようようになりました。

3日前にいつも行っている美容院のオーナーに当院を紹介され、本日来院。

今はまだ長く歩いたり階段や坂の登りで痛みますが、腫れたりすることは無くなった。

膝関節痛の原因は膝蓋骨のズレ。

患部と姿勢の観察

この方の左膝を見ると、左脚だけO脚のように脛骨が外側に曲がり、お皿(膝蓋骨)の位置が右に比べると高い位置にあり、かつ外側にズレていた。(図2)

図2

さらに両足とも酷い外反母趾だった。

昔は踵の高い靴を履いていたか、前傾姿勢でチョコチョコ歩く歩く癖があることが分かる。

話を聞くと若い時にヒールを履いていたが、妊娠時に膝が痛くなり、それ以降、ヒールは履かなくなった。

歩き方は前傾姿勢でチョコチョコ歩き、いつも靴の爪先と踵の外側が減りると言っていた。

患部の触診と問診内容と症状との関係。

患部の膝蓋骨周囲や下面を触ったり押しても痛みはありませんが、階段の上りや登り坂など足に力を入れて踏み込む動作で痛が生じ、逆に階段の下や下り坂では痛みが殆どありません。

通常半月板や大腿脛骨関節に損傷があれば上りでも下りでもかなり痛むし、特に体重がもろに半月板にかかる下りの方が痛みます。

しかし左膝は下りではなく登りで痛み、患部は左膝蓋骨周囲が痛み、左の膝蓋骨が上方かつ外側にズレている。

膝蓋骨を正しい位置に押さえ、同時に左足に体重をかけて踏み込んでもらったら、いつも発する左膝の痛みがない。

これらのことから患者さんの左膝の痛みの直接の原因は上方かつ外側にズレた膝蓋骨であると考えられます。

膝蓋骨の働き。

膝蓋骨は大腿四頭筋の腱の中にある骨で(図2)、膝の関節運動の際に大腿四頭筋の腱と大腿骨との間で生じる摩擦を防ぎ、さらに膝を曲げた時に膝関節に加わる強い圧力(応力)を分散させる働きがあります。

摩擦を防ぐ。

この骨が膝の正しい位置にあれば四頭筋の腱が大腿骨に擦れることなくスムーズに膝を曲げ伸ばしができます。

しかし膝蓋骨がズレると四頭筋腱と大腿骨との間で摩擦が生じ、組織ご傷つきます。

それが長い間蓄積されると痛みが生じ、さらに悪化すると腱と骨の間にスペースを作り摩擦を防ぐためにために水が溜まります。

応力の分散。

膝蓋骨は膝を曲げた時に加わる単位面積当たりの圧力(応力)を接触面積を大きくすることで分散させる働きがあります。

膝蓋骨がズレると接触面積が狭くなり、単位面積当たりに加わる応力が強くなります。

これにより膝蓋骨周囲の軟骨などが傷ついて痛みが生じ、さらに悪化すると圧力を分散させる緩衝材として膝関節に水が溜まります。

このように膝蓋骨のズレることで大腿四頭筋腱と骨とで摩擦が生じ、さらに膝関節に加わる応力が強くなります。

その結果、膝関節内の組織が傷ついて痛みを発し、さらに悪化すると水が溜まります。

この直接の原因である膝蓋骨のズレを直さずに水を抜けば、膝関節の内圧が減ることで動かしやすくなり、一時的に楽になるでしょう。

しかし腱と大腿骨との間で摩擦が加わり、膝に加わる応力が増し、結果的に悪化させてしまうでしょう。

膝関節痛の施術。

施術は、まず直接の原因である上方かつ外側にズレた膝蓋骨を正しい位置に戻せばいいのですが、これだけ戻しても対処療法にしかなりません。

膝蓋骨の位置は大腿骨や脛骨の捻れや骨盤や腰椎の歪み、さらに足首の状態に依存します。

例えば腰椎は上半身と下半身の間で免震装置として機能し、上半身から加わる重量や揺れを逃しています。

しかし腰椎がズレると免震装置として機能せず、負担を逃せず膝に集中することで四頭筋が緊張し、膝蓋骨を上方かつ外側の引っ張りズレが生じます。

骨盤が歪むと歩幅や歩行の左右差が生じ、どちらかの膝へ負荷が集中します。

その結果、四頭筋が緊張して膝蓋骨のズレが生じます。

股関節の捻れや足関節の硬さは、関節する脛骨の捻れを引き起こし、膝蓋骨のズレが生じます。

このように、膝蓋骨のズレを矯正するためには、全身の施術が必要です。

初回は膝蓋骨のズレに影響する腰椎、骨盤、股関節と膝関節、足関節を矯正し、最後にズレた左の膝蓋骨を正しい位置に誘導する手技を行いました。

施術後、左足に体重をかけて踏み込ませたが痛みはほとんどなくなっていた。

施術後に自力で膝蓋骨のズレを治す体操を指導し初回の施術は終了。

2回目には歩いても痛みがないが、長い坂や階段を登るとまだ痛むようです。

それでも以前なら家までの15段程度の階段でも痛くて手すりをつかまらなければ登れなかったのが、今は登っても痛くないと喜んでいました。

2回目の施術は左膝よりも骨盤と股関節の施術を重点的に行った。

3回目からは階段や坂を登ってもほとんど痛みがないレベルまで改善していた。

しかし、歩行時に体が右に傾き、左足をつく時(立脚期)にドシンと着地する癖があるので、放っておくと再発の恐れがります。

歩行時の体の傾きや揺れは骨盤と背骨の歪みの影響を強く受けるので、背骨と骨盤の施術を集中して行い、同時に正しい歩き方の指導を行いました。

週1の施術を8回続けた後、当初の症状はほとんど無く、歩行時の体の傾きや揺れが最小限に抑えられるようになったので、施術は終了。

以降、月1から2のペースでメンテナンスをしています。

院長からのコメント。

当院の質問欄に寄せられる質問の中で結構多いのがカイロプラクティックの施術で変形した膝を治せますか?という問い合わせです。

答えとしては変形したものは手術でなければ治りません。

しかしカイロの施術で骨盤や背骨や股関節などを矯正して膝への負担を抑えることで、変形していても歩いて生活できるようにすることは可能です。

膝に溜まった水を抜く前に、手術を検討する前に一度、ご相談ください。


ふじたカイロプラクティックは2016年6月開業の整体院。

院長は臨床経験18年。延5万人以上の実績!

マッサージや整骨院、病院では治りにくい腰痛や坐骨神経痛の他

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藤田 和広

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藤田 和広

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