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患者さん情報:40代女性、主婦。
3ヶ月前から、しゃがんでから立ち上がろうとすると右膝の裏側が痛くなる。(図1)
痛みだしてから1週間後、今度は階段を登ると同じようにが痛み出し、さらに先月から右膝だけなく右の小指の付け根あたりにも痛むようになったので、整形外科へ受診。
レントゲンを撮ったが膝の骨や関節に異常なしと言われ、痛み止めの塗り薬や湿布を処方されるが、効果なし。
その後、痛みは落ち着いたが、依然としてしゃがんで立つ時や階段を上る時に痛む。また、歩いて足をついた時に右小指に付け根が痛む。
先週、当サイトの記事「小指側に生じる足の甲の痛み。」を読み症状が似ていたので来院。
今まで、右膝が痛くなったことはないし、特にぶつけたり、高いところから落ちたりなどもない。
姿勢は骨盤や肩の位置や頭の位置が全て右側が低く、右に傾いて姿勢。そして骨盤は反時計回りに捻れ、右の方が左側よりも前に出ており、右の股関節が内側に捻れている(内旋)。図2
この方の右膝の痛みは、骨盤と股関節が反時計回りにねじれていることが原因です。
しゃがんでから立ち上がるときに骨盤や股関節が捻れていると、立ち上がるための筋肉が筋力を上手く発揮できずに、結果的に膝関節へ負担が増えます。
しゃがんだ状態から立ち上がる時は、最初に大臀筋や中臀筋などのお尻の筋肉が緊張して骨盤を安定させ、同時に股関節を伸展させます。図3
次いで大腿前面に着く大腿四頭筋(図4)が収縮して膝関節を伸展させ、立ち上がることができます。
しかし、この方の骨盤や股関節のように捻じれていると、骨盤が不安定になり股関節や膝関節を伸展させる筋肉が筋力をタイミングよく発揮できません。
股関節の伸展が不十分な状態で膝を伸展させようとすると、膝を伸展させる大腿四頭筋も十分筋力を発揮できなくなります。
そのため大腿四頭筋が担うべき負担が膝から下につく腓腹筋や膝の後ろに着く膝窩筋に加わります。図5
これらの筋肉の働きは、しゃがんだ状態のように足をついた状態で収縮させると膝が僅かに伸展させます。
そのおかげで、膝が僅かに伸展して股関節や膝を伸展させる筋肉が働き、なんとか立ち上がることができます。
しかし、腓腹筋や膝窩筋は臀筋や四頭筋に比べて圧倒的に筋量も少なく筋力も弱いので、あまり負担をかけると筋肉を痛めたり、結果的には膝関節そのものを壊してしまいます。
<h4>施術内容</h4>
この方の右膝の痛みを改善するためにはまず、緊張して硬くなった腓腹筋や膝窩筋の緊張を取り、同時に、臀筋や四頭筋が十分に筋力が発揮できるように骨盤や右股関節の捩れをカイロプラクティックの矯正で取ります。
骨盤や右股関節の捩れを取ることで、しゃがんだ状態から立ち上がるときに「骨盤の安定」→「股関節の伸展」→「膝関節の伸展」の正しい順序で立てるようになります。
このプロセスを踏んで立ち上がることで、結果的に腓腹筋や膝窩筋への負担が減り、痛みが軽減されます。
小指の痛みは、体が右に傾いていることが原因なので、体の傾きの原因である骨盤の歪みや背骨のズレを取ることで小指の痛みは改善されます。
1回目の施術では骨盤の安定と背骨のズレを主に矯正し、強く張っていた右の腓腹筋や膝窩筋を緩めました。
これにより、しゃがんだ状態から立ち上がる時の痛みが殆どなくなりました。
2回目、1週間後の来院では階段を登ってもしゃがんだ状態から立ち上がっても痛みはなく、長く歩いていると右の小指が痛むと訴えていました。
骨盤や股関節の捩れはなくなったものの、姿勢の傾きがまだあったので、背骨と右膝と右足首の施術を中心に行いました。
3回目は前回の1週間後、長い距離歩いても小指の痛みもなく、また膝に関しては殆ど痛みがなく、姿勢が安定していました。
施術は今回を最後にし、姿勢の傾きやねじれを防ぐために正しい歩き方を指導しました。
膝関節の状態は関節を挟んだ股関節や足関節の状態に依存します。そのため全体の姿勢と周囲の関節の関係性を考慮せず、膝関節だけに注目しても原因はわかりませんし、当然、改善もしません。
特に膝に問題がないにも関わらず膝が痛む場合は、膝に原因がないことが殆どです。
膝に問題がないのに、しゃがんだり立ったりすると膝が痛む方は、ぜひ当院へお越しください。
ふじたカイロプラクティックは2016年6月開業の整体院。
院長は臨床経験15年。延5万人以上の実績!
マッサージや整骨院、病院では治りにくい腰痛や坐骨神経痛の他
股関節痛や膝関節痛など、辛い症状でお悩みの方は是非お問い合わせください。
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