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施術の失敗は問診の失敗。
整体やカイロでは施術の技術さえあれば大丈夫だと思っている人も多いが、実は施術より重要なのが「問診」。
自分の経験も含め、スタッフ教育の現場などで見てきた経験から言うと、「問診」でのしくじりを「施術」で挽回するのは難しい。というよりほぼ無理に近い。
問診は患者さんを前に会話の主導権をしっかり握ってあれこれ質問し、肝心な情報を引っ張り出す。
その情報を元に施術を組み立てる作業だが、患者さんにとっては面倒臭いだけで、あからさまに嫌な顔をする人も多いい。
下手すると、怒って「早くしろ!」という人もいる。
しかし、たとえ怒鳴られても、なぜ問診が必要なのかをしっかり伝え、それでも嫌なら「お帰り下さい!!」とはっきりこちらの立場を伝えなくてはいけない。
とはいえ問診が下手な人や経験が浅い人はどうしても患者さんが放つ雰囲気に押されて言いなりになって問診をやめてしまう。
問診は施術のための大切な儀式
問診で失敗すると主導権を完全に患者さんに握られ、いいように舐められる。
舐められた挙句、二度目はない。
でもこれは、患者さんの質が悪い訳じゃない。主導権を相手に丸投げした時点でこちらの責任。
問診は情報収集の手段というだけでなく主導権を握り施術を有利に進めるための大事な儀式でもある。
戦略の失敗を戦術でカバーできないように、問診のしくじりを施術ではカバーできない。
それこそ奇跡的な改善でもない限り無理だ。
つまり、施術の失敗は問診の失敗と言っても過言じゃない。
自分も駆け出しの頃は問診が下手糞で、相手を怒らせたり、問診をさっさと切り上げて施術に入ったり、機嫌をとって言いなりになったりと主導権を丸投げしていた。
その結果、患者さんに舐められて一見さんで終わるか、来てほしくない患者になるかのどちらかで、いいことは何もない。
散々問診でしくじり「医学知識がないから問診に失敗したのだ」と思い、医学知識を勉強したり、「コミュニケーションスキルが足らないせいだ」と思って、コミュニケーションのセミナーに出たりと色々やったが、大して効果がなかった。
知識をつけることも、相手に好かれることも、それほど重要ではない。
肝心なことは「握った主導権は絶対に離すな!」だ。
施術者は症状が改善するまで患者さんをリードするのが仕事でだが、言いなりになったら、相手に言われるがまま人力車を引っ張るだけの奴隷になる。
奴隷は相手を恨みながら卑屈に依存するだけだから、一緒にいても誰のためにもならない。
患者さんの症状は改善せず、こちらは嫌な思いだけが残る。
主導権を患者さんに渡すぐらいなら、むしろ嫌われて帰ってもらったほうがいい。
嫌われる勇気「いい人」は「どうでもいい人」。
嫌われまいと思えば、主導権を握りしめていた指の力が緩み、気がつけば言いなりになってしまう。
そしてこういう「いい人」ほど主体性のない施術をやるから施術時間が長く、その割に患者さんもあまりつかない。
主導権のない「いい人」は「どうでもいい人」であって奴隷と同じ。
だから、たとえ患者さんに嫌われても施術者としての「主導権」を離してはいけない。
ではこの「主導権」を奪われないようにするにはどうしたらいいか?
それは簡単。知識もスキルもいらない。
ただ「主導権を渡さない!」と自分で決め、死守するだけです。
あとは駆け引きの問題で、駆け引きで有利に立つために医学知識やコミュニケーションスキルなどが必要になるのだが、これらは「主導権」を握っていることが前提になる。
「主導権」を手放した状態でいくら知識を並べても能書きにしか聞こえないし、いくらコミュニケーションスキルを用いても、おべんちゃらにしかならない。
そのまま施術をしても、結果は明白。奴隷がやる仕事は単に蔑まれても、感謝されることはない。
問診でしくじらないように「主導権」をしっかり握り立場を明確し、「嫌われる勇気」を持つことだ。
あとは場数を踏んで、その都度「知識」と「スキル」を身につけるしかない。
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