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噛み合わせと姿勢の関係
歯の高さの違いや噛んだ時の歯の当たり方がストレスとなり、食いしばりや歯ぎしりの他、片噛みなどの原因となる噛み合わせ。
歯を削ったり、マウスピースの装着や歯列矯正などしてもなかなか良くならないことが多く、削ったり盛ったりを繰り返しているうちにどんどん悪くなる事も多い。
噛み合わせの問題は、歯の高さや、顎の位置だけではく姿勢や頭の傾きなども大きく関係しているので、歯や顎だけ合わせてもあまり効果はありません。
姿勢は反射運動によってコントロールされていますが、この反射運動は体や頭の傾きに応じて下顎の位置を調節し、噛み合わせが最適な状態になるようにコントロールしています。
また食べ物の大きさや硬さを識別する口中の感覚も姿勢の変化に応じて感度が変化することも知られております。
このように姿勢によって噛み合わせや口の中の感じ方も変わるので、せっかく歯を削って綺麗に合わせても、すぐに噛み合わせが合わなくなったり、逆に余計、歯の当たりが気になって歯ぎしりや食いしばりなどが生じます。
姿勢による咀嚼筋のコントロール
姿勢は主に体の傾きなどを補正する「緊張性迷路反射」と、頭の傾きを補正する「緊張性頸反射」の2つの反射運動によってコントロールされています。
噛み合わせや顎の位置を決める咀嚼筋は、体の傾きに応じて頭の位置を調整する「緊張性頸反射」のコントロール下にあります。
緊張性頸反射と咀嚼筋の緊張の関係。
「緊張性頸反射」とは首の筋肉の緊張や頚椎の関節の位置などから頭の傾きや捻れを感知し、首の筋肉をコントロールして頭の位置を補正する反射運動です。
この反射は頭の位置調整と同時に咀嚼筋の緊張をコントロールし、顎の位置を調整します。
筋肉には筋肉の伸び縮みを検知する「筋紡錘」というセンサーがあり、これは筋肉が伸ばされたことを検知すると収縮するように命令を出します。
筋肉の緊張は筋紡錘の感度によって決まり、感度が高くなると緊張が強くなります。
そして緊張性頸反射は咀嚼筋のセンサー(筋紡錘)の感度を調節することで筋緊張をコントロールしています。
つまり緊張性頸反射は、姿勢の変化や頭の傾きに応じて咀嚼筋の筋緊張をコントロールし、最適な噛み合わせになるように下顎の位置を調節しています。
この緊張性頸反射は後頭部に近い上部頸椎の関節や周囲の筋肉から、頭の傾きや位置に関する膨大な量の情報を受けています。
しかしムチウチや悪い姿勢の影響で上部頸椎の関節がズレたり、首の筋肉が強く張ると、正しい位置情報が伝達されなくなります。
その結果、誤った位置情報をもとに咀嚼筋の緊張が制御されるので、下顎の位置がズレて噛み合わせが合わなくなります。
このような状況では姿勢の変化に応じて下顎の調整ができないので、歯を削って噛み合わせを合わせても、すぐに不都合が生じます。
歯を削る前に体を整えてみよう!
歯を削って高さを合わせても、噛み合わせは姿勢に応じて変わります。
また、歯には食べ物の質感や硬さを識別する感覚器(センサー)があるので、歯を削るとこれも一緒に失われてしまいます。
歯を削って噛み合わせを合わせる前に、まず悪い姿勢のせいでズレた頸椎や歪みきった背骨や骨盤を矯正して、噛み合わせが姿勢の変化に対応できるようにした方がリスクも少なく、体への負担も少ないと思います。
噛み合わせの問題でお困りの場合は、歯を削る前に試しに当院で施術を受けてみてはいかがでしょうか?
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