腰痛予防に筋トレはあまり意味がない。

目次

腹筋・背筋を鍛えても腰痛予防にならない。

腰痛予防のために腹筋や背筋の筋トレをやっている人は多いと思います。

腹筋・背筋を鍛え、筋肉のコルセットで腰を支えれば腰痛が防げると思うかもしれませんが、残念ながら筋トレで防げるのは重い物を持ち運びすることで生じる肉体労働による腰痛です。

それも重い物を運ぶ時に限られ、急な動作で生じる腰痛やデスクワーカーの慢性腰痛などには、殆ど予防効果がありません。

肉体労働の腰痛。

屈んで重いものを持ち上げる時、かなりの負荷が上半身と下半身を繋ぐ腰の骨(腰椎)に対してかかります。

その負荷に腰が対抗できないと、腰を痛めて腰痛になるので、腹筋・背筋を鍛えて腰椎の支えを強化すれば負荷に対抗することが出来ます。

しかし腰痛は腰の筋肉が弱くなることだけで生じるわけではないので、筋トレの効果があるのはこのような作業をしている時だけです。

一方、デスクワーカーの腰痛は肉体労働の腰痛とは原因が違うので、筋トレをしても効果がありません。

デスクワーカーの腰痛。

デスクワーカーの腰痛は腰椎の動きが悪くなる事が原因で生じます。

腰椎は首の骨と同じく肋骨がないので、自由に動かす事ができ、この動きは上半身から加わる体重や地面から頭に向けて加わる衝撃を逃し、その他、歩行時に生じる縦横の揺れを抑えています。

腰椎のしなやかな動きが負荷や揺れを逃すことによって膝や股関節や腰に加わる負荷が分散され、下半身の揺れが上半身に伝わる事なく上半身は安定します。

しかし腰椎の動きが悪くなると負荷は分散される事なく膝関節痛や股関節や仙腸関節や腰に集中して痛みを引き起こし、さらに下半身の揺れが上半身に伝わり、体の動揺は大きくなります。

体の動揺が大きくなれば姿勢の安定が悪くなり、負荷はますます大きくなります。

そして負荷が特定の部位に集中して加わる事で関節を痛めます。

デスクワーカーのように長い時間、同じ姿勢で座っていると、腰椎の関節が圧迫され続け、結果的に腰椎の動きが悪くなります。

普段全く体を動かさないデスクワーカーが腹筋・背筋を鍛えも、常に腰を支え続けるだけの筋力はつかず、鍛えたことで腰回りの筋肉が硬くなって腰椎の動きが余計に悪くなるだけです。

腰椎にかかる負荷は増し、歩行時の揺れは大きくなり、さらに腰全体が硬くなって急な動作に対応しきれなくなって、ギックリ腰を発症させるだけでしょう。

「腰椎の耐震性と免震性」

腰椎は現代の優れた建築技術にも劣らない優れた「耐震性」と「免震性」を兼ね備え、耐震と免震を状況に応じてうまく使い分けることで様々な運動に対応しています。

重い物を持つ時は腰の耐震性を高めて負荷に抵抗し、歩いたり走ったりする時は免震性によって負荷を逃し、揺れを吸収しています。

筋トレは耐震性を高める効果がありますが、「耐震性」を度を超えて高めると、今度は「免震性」を犠牲にすることになります。

免震性を犠牲にすれば負荷が腰などに集中し、構造物の許容範囲を超えれば耐えきれなくなって瓦解し、腰痛を発症させます。

なので腰椎の耐震性を高める筋トレよりも、まずは以下のリンク先で紹介している体操で腰椎の免震性を高めてみてください。

デスクワーカーの腰痛に効果がある体操はこちら→座り仕事による腰痛を予防する!腰痛予防体操。

上記のページで紹介している体操は座った状態で腰を動かし、腰椎に動きをつけることを目的としています。

仕事の合間、できれば2時間ごとに腰を動かし、腰椎の免震性を高めましょう。

筋トレは十分免震性を高めてからやってください。

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