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膝関節痛や変形性膝関節症の原因
中年以降の膝関節痛はスポーツや事故による怪我以外は誤った歩き方の集大成で生じます。つまり長年の誤った習慣が原因です。生活習慣病に投薬が根治に至らないように、生活習慣で生じた膝関節痛に対してサメの軟骨やらを飲んでも、「膝の潤滑油」とやらを直接注入しても、手術をしても根治に至りません。
習慣である「誤った歩き方」をやめる以外に手段がありません。
「誤った歩き方」とはどんな歩き方とは、バリエーションはいろいろありますが、どの誤った歩き方に共通していることは、歩行時に生じる「縦揺れ」と「横揺れ」が大きい歩き方です。
歩行時に生じる縦揺れと横揺れ
歩行とは左右どちらかの足が片足立ちになり、このような不安定な状態でバランスをとりながら前に進む運動です。不安定な状況でバランスを取るために常に重心を移動させています。
重心を移動させる時に体が上下左右へと体が揺れます。
この揺れがそれほど大きくなければ問題ありませんが、範囲を超えると股関節や膝関節への負担が増え、結果的に「膝関節痛」やさらに悪化して「変形性膝関節症」になります。
「縦揺れ」と「横揺れ」のピーク「立脚期」。
縦揺れと横揺れが最も大きくなるのがこの片足で体を支えている「立脚期」と言われる時です。
この時に重心は最も高く、そして外側へと移動します。それに合わせて縦揺れも横揺れもピークになります。
この縦揺れと横揺れを抑える上で重要な働きをしているのが人体最大の筋肉と言われている「大臀筋」や「中殿筋」といった「お尻の筋肉」です。(図1)
図1
「縦揺れ」と「横揺れ」を抑える「お尻の筋肉」
お尻の筋肉は立脚期に骨盤を安定させ、前に進む力となる推進力を発揮しています。さらに立脚期に生じる重心の上昇を抑えて縦揺れを抑え、同時に骨盤を回旋させて横揺れを抑えます。
お尻の筋肉が衰えると骨盤の支えが悪くなり片足立ちを維持することが難しくなり、バランスを崩して足を着きます。すると立脚期とは逆の足が浮いている側(遊脚期)の歩幅が狭くなります。
例えばの臀筋が衰えると右足立脚期が短くなり、対側の左足の遊脚期も同時に短くなり、左足の歩幅が狭くなります。
歩幅が狭くなると重心がつま先側に移動して前傾姿勢になりますし、前傾姿勢になると爪先で蹴るようにして歩くようになるので体の上下運動が大きくなります。
またお尻の筋肉は骨盤を捻ることで(回旋させる)体が横に移動するのを抑えて、体の横揺れを防ぎます。
さらにお尻の筋肉が収縮して骨盤を捻ることで立脚側では「推進力」が生じ、遊脚側では骨盤が前に押し出されて歩幅を稼ぎます。
例えば右足が立脚側の場合、右の臀筋を収縮させると骨盤が時計回りに回旋します。この時に右足では推進力が発揮されてお尻の力と右足によって体が前に押し出されて前進します。
遊脚側の左足では骨盤を時計回りに捻る(回旋)ことで左足が前に出しやすくなり、歩幅が広くなります。
しかし、お尻の筋肉が衰えると推進力が発揮されないだけでなく骨盤も回旋しないので歩幅が狭くなりますし、臀筋は膝関節や腰の伸展を補助する働きもあるので、膝や腰が曲がり「年寄り臭い」歩き方になります。
このような歩き方は足をついた時に地面から加わる衝撃が膝関節に集中するので、中年以降から膝が痛み出し、歳を取ってから膝が変形し「変形性膝関節症」になる傾向があります。
お尻の筋肉の衰えは歩きながら鍛える!
お尻の筋肉を鍛えるには筋トレなどで鍛えるよりも、お尻の筋肉が衰える歩き方をやめ「正しい歩き方」を身につけた方が効果があります。
お尻の筋肉が衰える歩き方とは「前傾姿勢歩行」のことを言います。
前傾姿勢で歩くとお尻の筋肉で推進力を発揮せずとも、体の傾きを利用して前に進むので、お尻の筋肉を殆ど使わずに歩けます。そして前傾姿勢で歩くと足を前に出さなくても楽に歩けるので、必然的に歩幅が狭くなります。
また前傾姿勢の状態で大股で歩いても、大腿前面に付く四頭筋を使って歩くのでお尻の筋肉は殆ど使われません。
このように前傾姿勢で歩くとお尻の筋肉をほとんど使わずに歩けるのでどんどん衰えてしまいます。歩くときは前傾姿勢をやめて重心を後ろに維持した「正しい歩行」を身につけましょう。
「正しい歩き方」を簡単に説明すると、重心を後ろに移し、上半身をお尻の上に乗せ、お尻の筋肉で体を前に押し出すようにして歩きます。足ではなくお尻の筋肉を使って歩くことを意識することで自然と重心は後ろに移動し、無理に腰を逸らさなくても腰が反れ、自然に上半身が骨盤の上に乗るので楽に背筋を伸ばせます。
歩き方のコツは「体をケツの上にのせるように歩く」です。
「正しい歩き方」の詳しい内容については以下のページで説明しておりますので、ぜひこちらをご覧ください。
動画編:膝関節痛が壊れる歩き方
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