牽引療法で関節が壊れる。

目次

関節を壊す牽引療法

牽引療法は、関節が正常に機能するための条件を無視した治療法です。そして狭くなった背骨と背骨の間(椎間関節)を広げる効果もありません。せいぜい筋肉のストレッチ効果でその場だけ気持ちが良くなるだけで、むしろ関節が緩んで不安定になり、関節にとっては害ばかりの治療法です。

牽引の関節への害

関節が正常に機能するためには、関節に適度な圧力が加わり関節同士が互いに密着していることが必要です。

互いに密着することで関節軟骨から潤滑油として働く「滑液」が分泌されます。この滑液のおかげで骨同士が擦れることなく、関節を滑らかに動かすことができます。

しかし関節が牽引されることによって、骨同士に間隔が生じ、滑液の分泌が減って骨同士に摩擦が生じ、関節の動きが悪くなったり、炎症が生じたりします。

また、滑液は、関節面を滑らかにして運動を円滑にするための潤滑油であるのと同時に軟骨に栄養を与え、老廃物の排泄も行う血液のような働きを担っています。

そのため滑液の分泌が減ると、関節内の循環も滞ることで関節軟骨への栄養の供給と老廃物の排泄も滞り、関節軟骨が劣化して関節の緩衝材としての機能が果たせなくなります。すると関節内で骨同士がぶつかり、関節内に炎症が生じます。

腰痛がより悪化する。

牽引療法は、上半身を固定して下半身を引っ張ると、固定された部位から下の椎骨に対して引っ張る力が加わるため、全体が満遍なく牽引されて本来牽引すべき間隔が狭い椎骨だけを狙って牽引することができません。

また、間隔が狭くなっている関節の周囲は基本的に筋肉が緊張し引っ張ったところで間隔は広がりません。

牽引によって間隔が開くのは間隔が狭いところではなく、筋肉が緩んで比較的伸びやすい健康な関節です。

牽引で伸ばされた健康な関節は、関節が緩んで不安定になります。不安定になると周囲の筋肉が緊張して関節を安定させるので余計に腰の張りと痛みが増します。そして伸ばせば伸ばすほど筋肉は硬くなり、結果的に関節を壊して腰痛を悪化ささます。

つまり牽引療法は効果がないばかりか健康な関節壊し、被害を拡大させます。そもそも、牽引を加えている時間よりも重力の元で関節が圧迫されている時間の方が圧倒的に長いのですから、関節の間隔など広がるわけがありませんし、永遠に牽引し続けることなどできません。引っ張っている間だだけ効果があり、その場しのぎにすらならない治療法は害になるばかりで全く意味がない治療法です。

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