さよなら丸広百貨店屋上遊園地「わんぱくランド」

絶滅危惧種的存在の屋上遊園地

今月1日に丸広百貨店川越店の屋上遊園地「わんぱくランド」が51年の歴史に幕を閉じた。

屋上遊園地とは主にデパートの屋上などに観覧車やメリーゴーランド、モノレールなどを設置したミニチュア版の遊園地。

昭和40年から50年にかけて隆盛を極め、当時はどこのデパートの屋上にもあったが、昭和末期あたりからビデオゲームが普及しだすとその座を奪われ、屋上遊園地は次第に屋上ゲームセンターへと変わっていった。

平成になると少子化の煽りや不況も重なり何かとコストがかさむ屋上遊園地は激減。

もはや屋上遊園地は絶滅危惧種的存在となり関東では2件を残すのみとなる。

そして9月1日をもってそのうちの一軒、丸広百貨店川越店の屋上遊園地「わんぱくランド」が閉園になった。

閉園の情報を「昭和スポット研究所」Kossyさんの動画で知り、8月21日に休みを利用して訪れた。

Kossyさんのチャンネルはこちら→kossy昭和スポット研究所

遊園地が閉園する理由はだいたい客足が減って、コストがかさみ、維持できなくなって閉園するケースが多いが、ここは設備の老朽化と耐震性の問題で閉園するのであり、客足が減ったせいではありません。

骨董品レベルの遊園地が令和の世になっても地元のお客様に愛され、利用されていたということです。

そこで46になるおっさんが童心に帰って、スマホとスタビライザーを片手に鳥籠のような観覧車「わんぱくホイール」や複葉機型のメリーゴーランド「わんぱくプレーン」、2人乗り一両編成の電動モノレール「わんぱくビード」に乗り、その模様を動画に収めました。

皆様が童心に帰って乗り物に乗っている感覚を味わえるようにカメラアングルを子供目線にしています。

是非、お楽しみください。↓

わんぱくホイール

乗り場で待っていると、鳥かごのようなゴンドラがゆっくりとやって来て、係の人に促されるまま乗り込みます。

見た目は小さな観覧車ですが設置場所がビルの屋上なので最高地点に至れば川越の街を一望できます。

天気がよければ富士山が拝めたそうです。

残念ながら自分が乗った時は富士山方面はガスっていて拝めませんでした。

わんぱくプレーン

次は複葉機が上下しながらクルクル回る「わんぱくプレーン」に乗り込んだ。

女性スタッフの指示に従い、安全ベルトを装着していると、離陸を知らせるアラームが鳴って機体はゆっくり離陸する。

離陸と同時にナムコのシューティングゲーム「スカイキッド」のBGMが流れる。

さすが親会社がバンナムだけのことはある。

複葉機が勢いよく回っている最中に股の間から突き出たレバーを上下させると、機体も上昇・下降する。

デパートの屋上を旋回する機体から眼下に広がる川越の街を見下ろせる。

前に乗っていた子供は嬉しそうに数メートル下のパパに向かって小さな手をしきりに振っていた。

自分はカメラ片手に機体から見える風景を撮っていたらだんだん気持ちが悪くなる。

旋回が終わり地上に降りると、子供は嬉しそうにパパのもとに駆け寄っていた。

一方、自分は気分が悪くなってベンチにへたり込み、つくづくオッサンになったんだと思い知らされた。

わんぱくビード

わんぱくビードは電車と同じで運行時間が決まっており、乗り場に行ったが運休していた。

次の運行まで1時間近くあり、面倒だから写真だけ撮って帰ろうかと思ったが、プライズ機やビデオゲームで時間を潰しながら待つことにした。

子供の頃は金がなくても日がなゲーセンに入り浸り、いくらでも時間を潰せたが、大人になった今はゲームにいくらでも金をつぎ込めるようになっても肝心のやる気が失せていた。

自分はゲーム機を前に何をやろうかとただ途方にくれていた。

仕方なくベンチに座って動画の編集をしているうちにわんぱくビードの発車時刻を知らせるアナウンスが園内に流れた。

乗車場につくと誰も来ておらず、自分が先頭だった。

しばらくすると人が集まり私の後ろに並びだす。

後ろを振り返ると、皆小さな子供を連れたパパやママが並び、この中で単身のおっさんは自分だけだった。

しかも先頭・・・。何ともバツが悪かった。

発車時間になり1組づつプラットホームに入れられる。

先頭に立つ単身の自分が最初に乗り込むことになり、係の人の指示のもと安全バーをセットし、設備の説明を受ける。

「座席正面中央に備え付けられたスイッチを押すと楽しい音楽が流れますので、是非お試しください。それでは行ってらっしゃい」

と言って送り出され、一両編成のカートがシニアカー程度のスピードでゴトゴト動き出す。

例のスイッチを押すと「プッ、プー」というゆるい音ともに、これまたさらに緩い音楽が流れる。

すると下で遊んでる子供がポカーンとした顔でてんとう虫の乗り物に乗った自分を眺め、指を指す。

単身てんとう虫のカートに乗り込んだ46のおっさんがゴトゴト揺られて晒されるという恥辱プレーと放置プレーを味わう。

早く一周してくれることを切に願っていた。

やっと一周し終わると、駅の手前で「はい!お帰りなさい」と出迎えてくれる。

係のおじさんとろくに目も合わせずに、そそくさと乗り物から降りた。

私が駅を降りるとちょうど、他の家族連れが乗ったビードが動き出した。

家族連れが乗れば絵になるが、おっさんが1人で乗り、音楽を鳴らしている姿は間抜けこの上ない情景だ。

一通り乗り物を乗り終えたが、まだチケットが余っていた。

乗る前は懐かしさがあったが、乗り終わったあとは恥ずかしさしかなく、とても乗る気になれないので、その辺にいた家族連れにチケットをくれてやり、自分はその場を後にした。

時代は変わる。

かつてはどこのデパートの屋上にあった屋上遊園地。

それがビデオゲームの流行とともに姿を消し、屋上遊園地は屋上ゲーセンになった。

その屋上ゲーセンも家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機の発展とともに衰退し、さらに長引く不況とAmazonなどのネット通販の拡充により百貨店そのものが消えていった。

屋上遊園地、ゲーセン、百貨店が地方から姿を消しても娯楽を求める人の気持ちは変わらないから、新しいテクノロジーともにまた新しい娯楽が生まれていく。

今後どうなるのかおっさんには分からんが、案外一周回ってゲーム機のようにハイテクで1人で楽しめるデジタルなものから、屋上遊園地のように大勢で生の体験が共有できるアナログなもにシフトしているかもしれない。

「わんぱくランド」よありがとう。そしてさようなら。

Posted from SLPRO X for iPhone.

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