目次
反り腰の原因は前傾姿勢。
反り腰の原因は腹筋が弱いからでも、骨盤が前に傾いているからでもありません。
反り腰を直すのに筋トレも運動も必要ありません。反り腰の根本原因である前傾姿勢を直すだけで簡単に改善されます。
反り腰の原因:前傾姿勢とは
「反り腰」の根本原因である「前傾姿勢」について簡単に説明します。
正しい立ち姿勢は図1Aのように重心線よりも後ろに体があります。
一方、前傾姿勢は図1Bのように重心線よりも前に体が移動します。
このように前傾姿勢とは、立った時に重心線よりも前に体が移動した立ち方の事を言います。
前傾姿勢の特徴
前傾姿勢の方には主に以下のような特徴があります。
①立つと体重がつま先側に加わる。
②外反母趾である。
③つま先側にタコが集中している。
このような特徴の人はたち姿勢が前傾姿勢の人と言っても間違いないでしょう。
前傾姿勢から反り腰へ
次に前傾姿勢から反り腰になるメカニズムを説明いたします。
前傾姿勢の人は、体が前に移動するせいで、太ももの前側の筋肉(大腿直筋)が強く張ります。
図2大腿直筋
そしてその筋肉が骨盤を前に傾かせ、骨盤が「前傾」になります。図2
図3大腿直筋に骨盤が引っ張られ前に傾く。
この前傾姿勢の人が前傾姿勢を直さずに背筋を伸ばそうとすると、腰の骨をグイッと反らせて背筋を伸ばし、反り腰になります。
本来なら骨盤を起こして背筋を伸ばせば正しい立ち姿勢になるのですが、前傾姿勢の人は大腿直筋が緊張しているせいで、骨盤を起こすことができません。この骨盤が前傾した分、腰椎が反り「反り腰」になります。
この状態を長く続けていると腰椎への負担が増しますので、腰痛や背中の痛みを発します。
このように、反り腰は前傾姿勢の状態で背筋を伸ばすことが原因で生じます。
まず「反り腰」を直すために優先すべき事は「前傾姿勢」を改善することです。ストレッチやら筋トレやらは前傾姿勢を改善してからでないと意味がありません。
前傾姿勢の治しかた。
次に前傾姿勢を治すために自分でできる方法を説明いたします。前傾姿勢を直すのに技術も身体能力も必要ありません。
ただ、立ち姿勢と歩き方を気をつけるだけです。筋トレもストレッチも必要ありません。
前傾姿勢を治す立ち姿勢。
それでは、前傾姿勢を直す立ち方について説明いたします。
前傾姿勢の方は立った時に重心線よりも体が前方にあるので、その前に移動した体を重心線に近づくように意識して立つことで前傾姿勢が防げます。
重心線は目に見えませんが、この見えない重心線を意識するための指標となるのが足の裏に加わる体重です。
重心線は図1Aのように土踏まずの中間付近を貫います。なので重心線上に(土踏まず付近)体重が乗るように立つと、前傾姿勢を防げます。
一方、重心線よりも体が前にある前傾姿勢は(図1B)、立った時につま先側に体重が加わります。
つまり重心線にちかい土踏まず付近に体重が加わるように意識して立つだけで、その場で前傾姿勢を防げます。
土踏まず側に体重が移ると、前傾姿勢が直り、大腿直筋が緩んで骨盤が起き上がります。
この状態で背筋を伸ばすと、無理に背中や腰を反らさなくても済むので、反り腰が改善されます。
前傾姿勢を直す歩き方:大股で歩く。
それでは、前傾姿勢を直す「歩き方」について説明いたします。
前傾姿勢を直すには、立ち姿勢を気をつけるだけなく、歩き方も直す必要があります。
その前に歩行とは何かを簡単に説明すると、歩行とは足が地面についている立脚相と足が浮いている遊脚相を繰り返して前に進む運動です。
右足が地面についている立脚相のときは、左足は浮いる遊脚相になり、左右の足でこれを交互に繰り返すことで体は前に進みます。
しかし前傾姿勢を直すためには、ただ歩くだけでなく歩幅を広くとり「大股で歩く」事が重要です。
歩幅とは両足が地面についた時に生じる、両足の間隔のことです。図4
多くの人は大股で歩こうとすると、浮いている側の足(図5矢印)で歩幅を稼ごうとして、足を大きく前に出します。
しかし、これでは大股で歩けますが、逆により前傾姿勢になるので逆効果です。
前傾姿勢を直す場合は、浮いている側の足ではなく地面についている側の足(立脚側)を長く地面に接するように歩きます。図6(矢印側)
つまり、地面と接する側の足(立脚側)を長く保てば、反対側の(遊脚側)足が浮いている時間も長くなり、結果的に大股になります。
さらに立脚側を長く保てば、必然的に上半身が後ろへ移動し、体が重心線に近づくために前傾姿勢が改善されます。
このように大股で歩くと自然と体は重心線に近づき、背筋も自然と伸びるので前傾姿勢が改善され、無理に腰を逸らさなくても背筋を伸ばせるので「反り腰」も改善されます。
まとめ
反り腰を直すには、背筋を伸ばしたり、腹筋を鍛えたり、骨盤を起こす体操をやるよりも、まず立ち姿勢と歩き方に気をつけて前傾姿勢を治しましょう。
立ち姿勢で気をつける事は体重が土踏まずの中央にかかるように意識して立つようにしましょう。
そして歩くときは立脚側を長く保つように大股で歩きましょう。
しかし、前傾姿勢の人は長年の前傾姿勢と不良姿勢の影響で背骨がズレていたり、骨盤が歪んでいます。
このような背骨のズレや骨盤の歪みがあると、体の感覚がおかしくなり脳が正確に姿勢を把握しづらくなります。
そのため、立ち姿勢や歩き方をいくら気をつけていても、前傾姿勢を直すのが難しくなります。
このような場合、当院の施術で骨盤の歪みやズレた背骨を矯正し、同時に立ち姿勢や歩き方に気をつけることで前傾姿勢が早く直り、「反り腰」の早期改善につながります。
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