症例:右太もも裏の痛み。

目次

症状の経緯。

接客業に従事する30代女性が、右お尻から太ももの裏にかけて張りと痛みを訴えて来院。

体を前に倒したり、しばらく立っていると、お尻(坐骨付近)が痛くなり、そのまま長時間立ち続けると太ももから膝の裏まで痛くなる。(図1)

図1

また、長く座っていてもお尻の後ろが張ってきて、立ち上がろうとするとお尻が痛む。

痛みは筋肉痛のような痛みで痺れなどはない。

1ヶ月前からお尻や太ももの裏が張り出し、ここ2週間は痛むようになったので整形外科を受診。

腰のレントゲンを撮ってもらったら腰の骨の間隔が狭くなっていると言われ、坐骨神経痛ではないか?と言われる。

腰を牽引されてビタミン剤と湿布を処方されたが変化なし。

ラチがあかないので1週間前に近所の整骨院を受診。お尻や腰に電気とマッサージを受ける。すると少し楽になるが、翌日になって仕事で立っているとだんだん痛くなる。

仕事中に痛そうに立っている姿を見かねて同僚に当院を紹介してもらった。

右太もも裏の痛みに関連する症状。

右太もも裏が痛みだす半年前にギックリ腰になり、丸2日動けなくなった。動けるようになってから近所の整骨院に2週間通い改善した。

姿勢の観察と検査。

姿勢・骨格・筋緊張の観察

姿勢は骨盤、肩甲骨、頭部が右に傾き、右前方に傾いた前傾姿勢。(図2)

図2

骨格は骨盤と大腿骨がそれぞれ反時計回りに捻れている。(図2)

筋肉の緊張は患部である坐骨から膝の裏につくハムストリング筋全般と脹脛が強く張り、その他に腰椎の右側の筋肉(右の多裂筋)と右大腿前面の筋肉(主に大腿直筋)と内股の筋肉(薄筋、大内転筋)が強く張っている。(図3)

図3

坐骨神経痛の検査。

次に坐骨神経痛を鑑別するための検査を行なったが、どれも異常なし。ヘルニアによる神経根圧迫の可能性は薄い。

骨盤や腰椎の検査。

次に骨格の問題を確かめるために検査を行った。

うつ伏せのまま膝を伸ばし、そのまま下肢を交互にベッドから持ち上げて伸展してもらう。

検者は持ち上がった下肢を上から押して負荷をかける。

骨盤に歪みなどがあれば下肢は負荷に耐えきれず、下肢がベッドについてしまう。

その結果、右は左に比べて弱く、ベッドに下肢が着いてしまう。

次に骨盤の右仙腸関節に対して圧迫を加え、右下肢を反らして負荷に抵抗してもらう。

すると右下肢の筋力は左と同じぐらいの強さになった。

この事からハムストリング筋の筋力低下の原因は、この筋が着く骨盤の仙腸関節が歪み、不安定になったためだということが分かる。

原因は仙腸関節の歪み。

筋力は筋肉が付着する骨や跨ぐ関節の影響を受けます。

ハムストリング筋が付着する骨盤の関節「仙腸関節」が歪んで骨盤が不安定になると、ハムストリング筋は筋力を発揮できず弱くなります。

この右の仙腸関節の歪みは、右太ももの前面に着く筋肉(主に大腿直筋)と内側につく筋肉(大内転筋)の緊張によって生じます。

これらの筋肉の緊張によって、骨盤が右前方に傾き、反時計回りに捻れて仙腸関節が歪みます。

さらに骨盤の傾きや捻れに伴い、体が右に傾きます。

こうして仙腸関節の歪みによって右のハムストリング筋の筋力が弱くなり、体が右に傾くことでさらに負担が増えます。

このような状態で長く立っていると、右ハムストリング筋に疲労が蓄積されて張り、筋肉の走行に沿って(右のお尻から膝下まで)坐骨神経痛に似た痛みが生じます。

このように、お尻から太ももの裏側にかけて走る坐骨神経痛に似た痛みは、坐骨神経痛でもハムストリング筋の炎症でもなく、右の仙腸関節の歪みによる不安定な骨盤が原因です。

なので腰を牽引しても、太ももの裏をいくら揉んでも良くなりません。

右太ももの裏側の痛みの施術。

右の仙腸関節の歪みを矯正して正しい位置に戻し、それに付随して生じた右股関節の捻れや、ギックリ腰を患った時からずっと残っている下部腰椎(L4-L5)のズレを矯正した。

上記の処置により骨盤の捻れや傾きの原因となっていた、右大腿前面の筋肉や内側の筋肉の強い張りも緩和され、骨盤の傾きや捻れもほぼ解消された。

施術後、立位で体をかがめた時に生じていた右の坐骨の痛みや張りは無くなっていた。

施術だけではすぐ再発するので、骨盤の歪みを自力で矯正できる「骨盤スクワット」と、半年前のギックリ腰から硬く筋肉が張り、動きが悪くなっていた「腰を柔軟にするための体操」を指導した。

1回目の施術はこれで終了。1週間後に予約を取った。

施術の経過。

1週間後に来院した時には、坐骨があたりに張りが残っているが、以前のように痛みはない。靴や靴下を履く動作でも痛みはないと言っていた。

姿勢の傾きも殆どなく、股関節や骨盤の捻れもない。

今回は前回同様に骨盤や腰椎の矯正の他、前傾姿勢を防ぐために猫背の矯正も行った。

施術後、立ってもらい症状を確認すると坐骨周囲の張りや脹脛の張りもなく、「背が伸びた気がする。呼吸も楽になって酸素が吸える」と喜んでいました。

姿勢に気をつけ、予防体操をしばらく続けるように指導し、症状がぶり返す兆候と来院のタイミングを伝えて施術は終了した。

現在は半年に1度の割合でメンテナンスとして来院しています。

院長からのコメント。

お尻から太ももにかけて痛みがあり、レントゲンでヘルニアの兆候があると、ほとんど坐骨神経痛と診断されてしまいます。

しかし、必ずしも「ヘルニアによる神経根圧迫=坐骨神経痛」ではなく、骨盤の歪みや太ももの張りなどで生じる「坐骨神経痛もどき」が殆どです。

この場合、張っている太ももや脹脛の筋肉をほぐしたり、弱ったハムストリング筋を鍛えても、あまり効果はないでしょう。

しかしハムストリング筋の筋力が弱くなった原因を見つけ、これをピンポイントに叩けば、それほどかからずに、数回の施術で改善するでしょう。

坐骨神経痛のような症状で、あちこち行っているけどなかなか良くならない。

このような症状でお困りの方は、一度、ご相談ください。

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