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右膝内側の痛み。
ジョギングを日々の日課とし、時々マラソン大会にも出場される30代男性会社員が右膝の内側の痛みを訴え来院。図1
二週間前から立ったまま膝を伸ばした状態で体を前屈させると右膝の内側が痛む。
また走っている時に右足で地面を蹴る瞬間に痛む。
気になり先週、整形外科を受診し、レントゲンを撮るが骨には異常なく「鵞足炎」と診断され、湿布と塗り薬を処方されるが現在に至るまで殆ど変化なし。
同じマラソン仲間から当院を紹介され、本日来院。
鵞足炎のような膝関節痛の原因。
痛む部位は鵞足炎とだいたい同じ位置だが、特に触っても痛みがなく、腫れや熱感などの炎症もないようなので、恐らく鵞足炎ではないでしょう。
患部周辺に触れると大腿を伸展させる大内転筋(図2)という筋肉が強く張っているので、これがストレッチされた時に引っ張られて痛みを発しています。
この大内転筋の主な働きは、ローキックのように股関節を「内転」させたり、ジョギングやダッシュで地面を蹴る時にハムストリングス筋などと協働して股関節を伸展させたり、また足が着地した時には股関節を屈曲させます。
つまりランナーにとって大内転筋は地面を蹴る時も着地する時も働く筋肉ですが、それでも正しいランニングフォームで走っていれば、大内転筋だけに負担が集中するのを防ぐ事が出来ます。
しかしフォームが悪いと負荷が局所的(主に大内転筋や大腿四頭筋)に集中するので痛めます。
この患者さんの立ち姿勢を見ると、上半身は右に傾き、骨盤と右の股関節が反時計回り(左回旋)に捻れています。
そして腰の張りが強く腰の弯曲がなくなって、やや前傾姿勢。
さらに脹脛が両方とも強く張り、特に右足の張りが強い。
このような普段から何気なくやっている右に傾いた前傾姿勢が、そのままランニングフォームに反映されます。
体が右に傾くと重心が右足に移動し、そのせいで上半身の重みが右足に加わります。
右に傾いた姿勢で骨盤や右股関節が上記のように捻れると、股関節や膝関節を伸展させる大内転筋や大腿四頭筋の筋力を効率よく発揮でき、さらに脹脛の筋肉を緊張させて右足の爪先を硬くする事で地面を蹴る時は爪先の一点に体重と筋力を集中させる事が出来ます。
それにより強い推進力を生み出し早く走る事が出来ますが、このような走り方は強い推進力を生む反面、右足にかかる負担も大きく負担が局所の関節や筋肉に集中するので早晩、膝や股関節を痛めます。
この方のランニングフォームを観ると予想通り、右に傾いた前傾姿勢で骨盤と右股関節を捻り右足で蹴るようにして走っていました。
そのせいでダッシュや着地の際にの大内転筋に負担が集中し、右の大内転筋に強い張りが生じ、ストレッチしたり地面を蹴った時に大内転筋が引っ張られて痛みを発したと考えられます。
今のところは大内転筋が張っているだけですが、このまま放っておけば時間と共に状況は悪化の一途を辿り、確実に鵞足炎になるか、厄介な膝関節症になっていたでしょう。
右膝内側の痛みの施術。
その日の施術は捻れた骨盤や股関節、それとズレていた腰椎を矯正して、関節の動きを正常にしました。
股関節や腰椎が正常に機能するようになると、体重や地面からの衝撃を関節運動によって逃がす事が出来るようになり、膝関節や大内転筋への負担が減ります。
また、骨盤の歪みや股関節の捻れがあると股関節の伸展が制限され、そのせいで人体最大の股関節伸展筋である大臀筋の筋力が発揮できなくなります。
この筋肉はとても強い筋力をもつのですが、股関節の伸展が制限されたり腰が曲がっていたり前傾姿勢だと十分力を発揮できなくなります。
そのため股関節の伸展を制限する骨盤の歪みや腰椎のズレを矯正することで大臀筋の筋力が発揮され、地面を蹴る時に生じる大内転筋と大腿四頭筋の負担が大きく軽減されます。
初回は、関節の歪みやズレを矯正して右大腿に加わる負荷を逃がせるようにして、大臀筋の筋力を発揮できるようにする事で大内転筋の負担を減らすように施術し、正しい姿勢とランニングフォームを指導して終了。
施術後、膝を伸ばして体を前屈してもらうとほとんど痛みはありませんでした。
しかし、また同じ姿勢で走っていれば確実に振り返すので、ある程度ランニングフォームが身につくまで週1で通ってもらい、5回目の施術の後に当初から出場予定だったフルマラソンに参加されました。
フルマラソンに参加した後、いつもならしばらく歩くだけで右膝が痛み、とても走れない状態でしたが、今回は筋肉痛以外の痛みはほとんどなく、1日クールダウンした後に軽く走ってみると普通に走れたという事でした。
5回で鵞足炎のような右膝の痛みに関する施術は終了。
現在は1ヶ月〜2ヶ月に1回のペースでメンテナンスで通っています。
院長からのコメント
この方の股関節や骨盤のねじれは、右足を上に足を組む癖によるものです。
この癖による捻れが今回の鵞足炎のような右膝の痛みを引き起こしました。
このように普段の姿勢はランニングフォームに直結するので、走ると膝や股関節が痛む方は小手先のフォームを変えるのではなく、まず姿勢を根本的に直しましょう。
ふじたカイロプラクティックは2016年6月開業の整体院。
院長は臨床経験16年。延5万人以上の実績!
マッサージや整骨院、病院では治りにくい腰痛や坐骨神経痛の他
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