50肩は、肩関節をまたぐ筋肉や腱や関節を包む関節包などの軟部組織が時間をかけて傷つけられ、最後は炎症を起こして激しい痛みと共に肩が上がらなくなる、厄介な症状です。
実は五十肩は単に肩関節だけの問題ではなく、姿勢の良し悪しも大きく関与しています。
例えば悪い姿勢の代名詞ともいえる「猫背」や肩が前に出る「巻き肩」になると肩関節に対して以下のような影響が出ます。
これらの変化によって僧帽筋のなどの筋力が弱くなり、肩甲骨や鎖骨の動きが悪くなったり、肩甲骨の支えが悪くなって、その結果、肩関節が不安定になって可動域が狭くなります。
例えば50肩の人が1番痛みを訴える「腕を水平から上に挙げる動作」では、最初に鎖骨が持ち上がり、次いで肩甲骨が持ち上がりながら反時計回りに上方回旋します。(図2)
肩関節(肩甲上腕関節)はボール状の上腕骨頭とソケット状の肩甲骨関節窩で構成されており、ボールとソケットがピッタリ密着した状態でないと肩関節は滑らかに動かせません。
上腕骨の挙上に合わせて肩甲骨が上方回旋することで、ボールとソケットが密着した状態を保て、肩関節を滑らかに動かせます。
しかし猫背や巻き肩のような悪い姿勢になると胸郭の形状が変わり、それに伴い肩甲骨や鎖骨を動かす僧帽筋などの筋力が弱くなり、肩関節が不安定になりめす。
その結果、肩の関節運動はぎこちなく、可動域も制限されてしまいます。 肩関節が不安定な状態で上腕骨を挙上させると、上腕骨が上に引っ張られて上腕骨頭が肩甲骨とぶつかり、肩関節の筋肉や腱、靭帯や関節包などの軟部組織が圧迫されます。
また不安定な肩関節を支えるために腕を動かす三角筋や棘上筋(図3)などが緊張して、筋肉の強張りや痛みが生じます。
その状態が長期化すると軟部組織が傷つけられ、最終的に炎症が生じて肩を全く動かせなくなります。
このように、悪い姿勢は背骨や肋骨が歪んで胸郭の形状を変え、肩甲骨や鎖骨の動きを悪くし、結果的に肩関節の動きを悪くしたり、肩関節周囲の筋肉や腱を傷つけます。
その状態が長期化した成れの果てが50肩です。
50肩にならないように日頃から姿勢に気をつけ、同時に悪い姿勢によって歪んだ背骨や肋骨をカイロプラクティックの矯正で整えましょう。
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