顎関節症の原因は肩甲骨のズレ?!

30代女性:顎から首にかけての緊張と開口時の顎の痛み。

症状の経緯:

20代の頃から顎から首、そして肩にかけて強張り、口を開けると右の顎から音がなる。

ここ2−3年から強張りが強くなり、口を開けた時に右顎が痛むようになる。

子供の頃から食い縛りや歯軋りの癖があったが、顎がや首がこわばることは無かった。

本格的に顎周りが強張り出したのは22−3歳の時にぎくり腰になってから。

ここ2ヶ月ぐらいは肩周りや肩甲骨周りにまで張る。この間に仕事が忙しくなったりストレスがかかるようなことは特になく、これといって思い当たる原因はない。

痛みに周期性はなく慢性的に顎・首・肩が張る。そして口を開けると右の顎が鳴り痛みを発する。

付随する症状

腰部から臀部にかけての張りと、階段を駆け下りた時に左膝が痛む。

顎関節症の施術。

この方の姿勢を見ると体は右に傾き、頭は正面を向くために左へ傾いています。このような姿勢や頭の位置は、顎関節の機能に影響し、主に左顎で噛む癖を生じる傾向があります。

しかし、この方の場合は姿勢や頭の傾きよりも右の肩甲骨が下へ、そして外側にズレていることが原因で生じた顎関節症です。

あまり知られていませんが、実はこの肩甲骨のズレは顎関節の機能に影響し、顎の開閉時の左右差や、食いしばりの原因にもなります。

この方の右肩は撫で肩で、右の肩甲骨が下に下がりさらに背骨の中心から離れて外側へズレています。

肩甲骨のズレは、筋肉を介して顎の開け閉めに影響する舌骨に伝わり、舌骨がズレます。そして舌骨のズレはそのまま下顎骨をズレさせ、顎の動きに影響します。

施術は直接の原因である顎の動きに影響する右肩甲骨のズレを矯正します。

そして大元の原因である左に傾いた頭と右に傾いた姿勢を修正すべく頚椎や骨盤を矯正し、肩甲骨のズレをもたらす胸椎の側弯を修正すべく胸椎を矯正します。

一回の施術で、施術前は口を開けると下顎が右から左へとズレ、右の顎から音や痛みを伴っていましたが、施術後は下顎のズレもなくスムーズに口が開き、痛みもありませんでした。

また、首や顎の張りもほとんどなく首の可動域が増しました。

ただ音は最後まで残りましたが、これは顎関節の関節円板が長い時間かけて傷つけられた結果生じているので、しばらく時間がかかります。

2回目の施術では主に体が傾くキッカケとなった20代のギックリ腰の後遺症を治すべく、腰椎と骨盤と膝関節の施術を中心に行いました。

これにより左膝の痛みと腰回りの慢性的な張りが改善されました。

以降は月一のメンテナンスで通っています。

顎関節症の原因の解説と指導内容。

肩甲骨のズレと下顎のズレの関係。

肩甲骨がズレることによって、肩甲骨から舌骨に着く「肩甲舌骨筋」が引っ張られ舌骨がズレます。舌骨のズレは舌骨から顎に着く舌骨上筋を介して顎をズレさせます。(図1)


図1

右の肩甲骨がズレることで肩甲骨から舌骨に着く肩甲舌骨筋が伸ばされて、舌骨を右側へさらに後方へ引っ張ります。

舌骨のズレはそのまま舌骨から下顎骨に着く舌骨上筋(顎二腹筋・顎舌骨筋・オトガイ筋・茎突舌骨筋)を介して下顎を右側へさらに後方へ引きます。

舌骨と下顎が右にずれることで開口時に右側が開けやすく、逆に左側が開けづらくなるなります。

そして口を開けた時の下顎の動きは、開けやすい右側から開けづらい左側へ移動します。

口を開けるたびに顎が右から左へ動くため、右の顎関節が長い年月かけてグラグラになり、関節円板を傷つけてクラック音や痛みを生じます。

このように、肩甲骨のズレによって舌骨がズレ、下顎骨もズレることで噛み合わせの変化や、顎の開閉の左右差が生じます。

この状態が何年も続くことによって口を開けた時に開けづらくなったり、音が鳴ったり、痛みが出たりする「顎関節症」になります。

そして、この肩甲骨のズレをもたらす大元の原因が最初に体が傾くきっかけになった20代で患ったぎっくり腰でした。

この方から20代のギックリ腰について詳しく聞くと、左の腰部から臀部の辺りに痛みが生じ、だんだん痛くなり、その時から体が「く」の字に曲がったということでした。

これは左の腰をかばうために体が右に傾きました。

この身体の傾きも噛み合わせや顎の開け閉めに影響するので、施術は右の肩甲骨のズレを直すだけでなく、右に傾いた身体の重心を体中心に来るように、左の骨盤と左の腰椎を矯正する必要がありました。

肩甲骨のズレによる顎関節症のへの指導内容。

この方のように肩甲骨が外側にズレやすい人の多くは、肩関節が腕の自重で引っ張られて緩くなっている傾向があります。なので、肩関節を安定させるための体操を朝と夜にやるように指導いたしました。

この体操は肩甲骨を正常な位置に保ち、緩くなった肩関節を安定させる体操で、さらに40肩や50肩の予防にもなる体操です。

やり方はこちらで紹介しています。

とても簡単な体操ですので、是非お試しください。→回復が早まり予後もいい!「50肩の対処法」

そのほか、肩甲骨をズレや巻き肩の原因となる「小胸筋」を伸ばす「小胸筋ストレッチ」を以下の動画で説明しています。顎関節症でお悩みで猫背や巻き肩の方は是非ご覧ください。

 

動画:肩甲骨のズレによる顎関節症のメカニズム。

肩甲骨がズレるとどうして顎関節症になるのか?そのメカニズムを動画で説明しています。テキストだと分かりづらい方は是非ご覧ください。

 

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