症例:立ち座りで生じる膝の痛み。

目次

右膝の痛みについて。

服飾関連で販売員をされている30代の女性が右膝の痛みで来院。

座ろうと膝を曲げた時、立ち上がろうと膝を伸ばそうとした時に右膝の皿(膝蓋骨)の上が痛む。図1

図1

症状の経緯。

1週間前に朝起きた時に右膝の皿の上が痛くて膝が曲げられなくなる。

午前中安静にしていると昼頃には痛みが収まり、足を引きずりながらも歩けるようになったので、整形外科を受診。

レントゲンでは膝関節には異常がないと診断され、湿布と痛み止めのロキソニンを処方される。

翌朝になるとまた激しく痛むので午前中は安静にし、午後から近所の整骨院で膝に電気を当て、マッサージを受ける。

その日の夜にロキソニンを飲んで寝たら、翌朝少し楽になったので、それ以来毎晩ロキソニンを服用してから就寝する。

今日は職場で午前中立ち続け、接客中にしゃがんだら急に膝が痛み出したので早退し、友人の紹介で当院に来院。

ここまでくる間に痛みが和らぎ、今はしゃがもうと膝を90度近くまで曲げると膝の皿の上に激痛が走る。

症状の観察と検査。

膝蓋骨を押すと痛みを訴える。立った状態で膝を曲げようとすると70度上がりから太ももの筋肉が突っ張り、90度以上膝を曲げようとすると右膝の皿付近が痛む。

仰向けの状態で右膝を他人に曲げてもらうと(他動的膝屈曲)、筋肉痛のように鈍い痛みを伴ないながら曲げる事ができる。(図2)

図2

半月板やひざ関節の靭帯の損傷を調べるために徒手で検査を行ったが痛みはない。

右膝の痛みは半月板や靭帯ではなく、大腿骨と膝蓋骨との関節「膝蓋大腿関節」に原因があり、ここはよっぽど酷くならないと画像ではわからないので、見逃される事が多い部位です。

姿勢や骨の並びの観察

この方の姿勢は、頭を前に突き出した前傾姿勢で、傾きは頭と肩甲骨と骨盤のラインが全て右に傾いていました。(図3)

図3

下肢の骨の並びを詳しく見ると、骨盤は右側を前突き出した格好で捻れ、右の大腿骨は骨盤と同じ方向に捻れていました。大腿骨と関節する膝蓋骨は大腿骨に対して外側にズレ、

同じく大腿骨と関節する脛骨も大腿骨とは逆に外側に捻れ、さらに反り返った反跳膝。

右の足関節は外反していました。

右膝の痛みの原因。

このような右に傾いた前傾姿勢で歩くと、傾いた側に体が揺れるので、膝や股関節に歩行時の衝撃や揺れによる体重などが集中します。

前傾姿勢で重心が前に移動することによって、骨盤を支える筋肉もお尻の筋肉(中殿筋 )から大腿前面の筋肉(大腿四頭筋)に変わります。図4

図4

大腿前面の筋肉で骨盤を支えると、お尻の筋肉より筋力が弱いので骨盤が安定しません。

例えば左足を挙げて右片足立ちになった時、本来なら右側のお尻の筋肉が骨盤を引き下げて支えることで、骨盤が左側に傾くのを防ぎます。こうして、骨盤は安定し片足立ちでもバランスを維持できます。

しかし、大腿前面の筋肉では骨盤の傾きを防げず不安定になってバランスを崩します。

またこの筋肉が緊張して骨盤を支えると骨盤や右大腿骨が捻れ、膝蓋骨が外側にズレます。

この方のように骨盤や右大腿骨がねじれ、右膝が反って足首が外反している場合、歩行時に下肢にかかる負担や衝撃を逃がす事ができず、それらは右膝に集中して四頭筋が緊張し、右の膝蓋骨が外側にズレます。(図5)

図5

このズレた膝蓋骨が膝を曲げた時の痛みを引き起こします。

原因は膝蓋骨のズレ。

膝蓋骨は大腿前面の筋肉(大腿四頭筋)の腱と繋がり、筋肉の働き(膝の伸展)を補佐し、膝を曲げた時に膝関節に加わる圧迫を分散させて関節を守ります。

この膝蓋骨が正しい位置にあれば問題ないのですが、これがズレると関節に加わる圧力が高まり、膝を曲げた時に強い張りや痛みが生じます。

つまりこの方の右膝の痛みの直接の原因は蓋骨の外側へのズレです。

そして膝蓋骨のズレは右大腿前面の筋肉の緊張が原因で、この筋肉の緊張は右に傾いた前傾姿勢が原因です。

右膝の痛みの施術。

直接の原因である膝蓋骨のズレを戻しても対処療法にしかなりません。

脛骨や大腿や骨盤の捻れなどの「骨格の歪みの改善」、体の右への傾きや前傾姿勢なのどの「姿勢の改善」の他、傾きや捻れを引き起こす「歩き方の改善」まで視野に入れて施術をしなければ、この手の症状は何度もぶり返します。

初回から3回までは3日に一回のペースで通院していただき、ズレた膝蓋骨の他、背骨や骨盤の歪みや右下肢の捻れなどの「骨格の歪み」の矯正を集中的に行いました。

これにより姿勢の傾きが幾分改善され、右の膝や大腿に加わる負担が軽減されて、大腿前面の筋肉の緊張も緩和されます。

大腿前面の筋肉が緩むことで膝蓋骨の牽引が弱まり、膝蓋骨がズレるのを防ぐことができます。

さらに筋緊張のせいで制限されていた右股関節や膝関節の動きがもどり、動かしやすくなるばかりでなく、股関節や膝関節に加わる負担を関節運動で逃がす事ができるようになり、右股関節や膝への負担が軽減されます。

結果、2回目の時点で朝起きた時の痛みや、立っている時の痛みはほとんどなくなったのでロキソニンの服用をやめた。

以前は痛くて膝を曲げる事ができなかったが、今は曲げられるようになり、痛いながらもしゃがめるようになった。

4回目からは1週間に1回のペースで来院していただき、骨格の歪みを改善するとともに、膝蓋骨のズレで生じる膝関節痛に効果がある「体操」と骨盤の捻れを防ぐための「スクワット」と「正しい歩き方」について指導した。

7回目の来院時にはしゃがむと膝蓋骨の上の方に軽い筋肉痛レベルの痛みが出る程度で、普段の生活にほとんど問題ないレベルにまで改善した。

仕事が忙しくなってなかなか時間が取れないということで、以降は電話予約。

指導した体操と歩き方に注意するよう念を押して施術は一旦終了しました。

院長からのコメント

この方のように膝蓋骨のズレによって生じる膝関節痛は、半月板や靭帯の損傷のように損傷部位が特定しづらいので、見逃されることが多い膝関節痛です。

そのため、なかなか改善しない反面、半月板の損傷のように膝のどこかが傷ついているわけではないので、時間が経つと痛みは消えます。

しかしそれは治ったわけではなく、痛みが出ない歩き方を身につけただけなので、返済を先送りにしただけのことです。

そんな歩き方のせいで股関節や膝関節の可動域は年を追うごとに狭くなり、負担が増すことで軟骨はすり減り、徐々に膝が変形します。

変形したらもう元にはもどりません。変形したなりに生活できるように付き合っていくしかありません。

そうなる前にカイロプラクティックの施術で膝蓋骨のズレと、このズレをもたらす骨盤や背骨の歪みを矯正する事をお勧めします。

また、変形してしまっても骨盤や背骨の歪みを矯正し、膝への負担を極力減らすことで痛みを抑えることは可能だと思いますので、膝の痛みでお悩みの方はこちらから当院へ一度ご相談ください。

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