症例:スマホによる首の痛み。

目次

首の痛みと肩こりについて。

飲食店に勤務する40代の女性が首の痛みと肩こりを訴え来院。(図1)

首の痛みと肩こりの経緯

1ヶ月前から肩が凝ったので近所の整骨院に週3回通い、マッサージと電気治療を受けるが、楽になるのはその時だけでなかなか良くならない。

二週間前から肩こりだけでなく首も張り、頭痛もするようになったので、耐えきれず駅前の激安マッサージ屋で60分揉んでもらったら、その時楽になったので喜んでいたのも束の間、翌日になったら頭痛と首の痛みが悪化し、起き上がらなくなった。

1日寝たら頭痛はなくなったが、首の痛みや肩こりは以前より酷くなった。

先日、首が痛むことを職場の同僚に話した時に当院を紹介され本日来院。

症状に関連するエピソードとして、連日のコロナ騒ぎで店も暇だったので、ずっとスマホでネットの情報を検索しまくっていた。

ネットの情報を見ても絶望的な情報か胡散臭い健康情報しか出ていないので見るのをやめ、代わりにツムツムばかりやっていた。

休みの日など、やることないから何時間もぶっ通しでやっていた。

そう言えば、その辺りから首の痛みや頭痛が悪化した。

首の痛みと肩こりの原因は「スマホ首」。

この患者さんの姿勢を観察すると肩甲骨を吊り上げた「怒り肩」で、頭が前に突き出た「前方頭位」。

首の動きは全方向制限され、動きと共に張りや痛みを伴うが、特に首を反らした時の痛みが強い。

筋肉は後頭部から顎・首と肩や肩甲骨周りの僧帽筋や肩甲挙筋が強く張っている。(図2)

その他、右の掌から前腕・肘・上腕に沿って筋肉が強く張っていた。

右腕の筋肉の張りはスマホをずっとホールドし続けていたことによる張りで、後頭部や顎や首の筋肉や肩周張りはスマホ画面を覗き込むために傾いた頭を支えることで生じた張りです。

スマホ画面を長時間見ていると頭が前に傾きます。

頭が傾くと支えるために首の筋肉への負荷が増えるため、首の筋肉が張ります。

さらにその姿勢を続けていると、首の筋肉だけで頭が支えきれなくなるので、肩まわりの大きな筋肉(僧帽筋と肩甲挙筋)を動員して頭を支えます。

肩周りの筋肉で頭を支えると僧帽筋が緊張して頭が前に出て「前方頭位」になったり肩甲骨を持ち上げて「怒り肩」になったりします。

つまり患者さんの姿勢は典型的なスマホ首の姿勢です。

スマホ首の原因は頭の傾き。

正しい姿勢であれば頭は頚椎の上にあり、脊椎に近い小さな筋肉(頭板状筋や頭半棘筋や前・中・後斜角筋や胸鎖乳突筋)図3で頭と首を支えます。

しかしスマホ首のように頭が傾いたり前に出ると、脊椎に近い小さな筋肉では頭を支えきれなくなるため肩甲挙筋や僧帽筋などの肩甲骨を支える大きな筋肉が頭を支えます。

肩甲挙筋や僧帽筋はもともと肩や腕を支える筋肉です。

脊椎周囲の筋肉よりも筋繊維が太く、筋力も強いので首や頭を支えられますが、強い筋力が逆に仇となって頸椎を圧迫してしまいます。

そんな状態が長引けば、首の痛みから逃れようと頭を前に突き出して「前方頭位」や肩甲骨を持ち上げて「怒り肩」になります。

さらに前方頭位が限界に達すると頭の重みで背中が丸くなって猫背になります。

猫背になると頸椎への圧迫はさらに強まり、首の張りや首の痛みが増したり頭痛になったりします。

スマホ首の施術。

このような肩こりや首の痛みを根本的に解決するには、頭の位置を前方頭位から正しい位置に戻さない限り、張っている僧帽筋や肩甲挙筋を解しても治りません。

初回:

前に突き出て項垂れた頭を正しい位置に戻すために土台となる頸椎や胸椎のズレを矯正して猫背をなおします。

そして張っている僧帽筋や肩甲挙筋のほか、長時間スマホをホールドしていたせいで張っていた右掌から右腕につく筋肉を解します。

スマホ首の患者さんは、首や肩の張りと同じか、それ以上にスマホをホールドしている時に働く掌から上腕の筋肉が強く張っています。

これを解さずに放っておくと、腕の筋肉の緊張が肩や首へと伝わり、首の張りや前方頭位を再発させます。

施術後、首の可動域が増え、首を反らしても痛みはなく、何もしていなくても常にあった首から腕にかけての重怠い張りも無くなったと仰ってました。

スマホをあまり長時間利用しないことと、スマホ首に効果があるストレッチや体操を指導し、一週間後の予約をとってこの日は終了。

2回目:

1週間後に症状の状況を確認すると、首の痛みや頭痛もなく、多少肩が張る程度ですが、教えてもらった体操をやると張りも治るとのことでした。

施術は前回の施術で矯正できなかった上部頸椎と右の鎖骨や肩甲骨のズレを重点的に矯正しました。

施術後、ずっと前から後頭部から眼の奥にかけて何となくモヤッとしていた感じがなくなりスッキリしたと言うことなので、施術は終了。

今は3から5ヶ月に1回の頻度(痛くなったら来る頻度)で来院しています。

院長からのコメント。

スマホ首は単に張っている筋肉をほぐしたぐらいではなかなか改善せしません。

頭の位置を戻すために土台となる背骨を矯正し、スマホをホールドする筋肉を解し、さらに予防としてスマホの使いすぎと使い方に注意しなければなかなか改善しない厄介な肩こりです。

スマホは今や生活に欠かせない必要悪です。

便利な反面、自制して使いこなさないとスマホに時間と健康が奪われてしまうので、ご利用は計画的にお願いします。


ふじたカイロプラクティックは2016年6月開業の整体院。
院長は臨床経験16年。延5万人以上の実績!
マッサージや整骨院、病院では治りにくい腰痛や坐骨神経痛の他
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