ダッシュの時の太腿や内股の痛み。

長時間走り込んだ後や、試合で走り回った後になると、太ももの裏や内股が痛くなる。
ストレッチやマッサージでケアしているが、毎回、長い距離走り回ると後で痛み出す。
この手の太ももの裏や内股の痛みは常にピッチを走り回るサッカー選手や、グランドを走り回る中・長距離の陸上選手によくみられる症状です。

主に太腿の裏に着くハムストリング筋と言われる筋肉の一つ「大腿二頭筋」が付着する坐骨付近や、「大内転筋」が付着する内股の真ん中辺りに痛みが生じます。(図1)


図1

大腿二頭筋も大内転筋も別々の筋肉であるが、ダッシュなどで地面を蹴る動作で共同して働き、痛める原因も同じなので、だいたいセットで痛みが生じます。

太腿や内股の痛みの原因

その痛める原因とは、地面を蹴る動作で骨盤を支え、同時に地面を蹴るときに働くハムストリング筋や内転筋をアシストしている「お尻の筋肉(大臀筋と中殿筋 )」が力を発揮できないからである。(図2)

図2

ダッシュの際にお尻の筋肉は地面を蹴る筋肉であるハムストリング筋や内転筋の他、大腿四頭筋などが力を発揮するための環境作りのために骨盤を安定させ、さらに地面を蹴る動作をアシストしています。しかしお尻の筋肉が力を発揮できないと、大腿二頭筋や内転筋への負担が増え、結果的に痛みを発したり、酷くなれば肉離れなどを引き起こします。

お尻の筋肉は脚(大腿)を骨盤より後方へと振り、且つ骨盤を支えつつ地面を蹴る筋肉をアシスト筋肉です。そして地面を蹴る時は脚と骨盤と体幹が一直線状に並んでいる姿勢であれば、お尻の筋肉は力を発揮する事ができます。しかし姿勢が前傾姿勢になったり、逆に腰を反らせた出っ尻姿勢になると、地面から突き上げる力にお尻の筋肉が負けて骨盤を安定させる事が出来なくなり、さらにハムストリング筋や内転筋や大腿四頭筋をアシストできなくなります。不安定な骨盤でお尻の筋肉のアシストもない状態で地面を蹴れば、大腿二頭筋や内転筋はの負担が増し、結果的に筋肉を痛めます。つまりダッシュ後の太腿裏の痛みや内股の痛みは、お尻の筋肉が力を発揮しずらい「走行フォーム」が原因です。

走行フォームの問題でお尻の筋肉が力を十分発揮できなくなっているので、筋トレで鍛えても、ストレッチで伸ばしても、あまり効果がないばかりか、下手をすれば悪化させてしまいます。まずは地面を蹴る瞬間、脚と骨盤と体幹が一直線状に並ぶように走行フォームを見直してみて下さい。慣れたフォームを変える事は大変ですし、足が速い人にとっては屈辱的なことかもしれませんが、競技寿命を伸ばすための投資だと思ってやってみて下さい。

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